ケイト・ブランシェット、マフサ・アミニ事件に揺れるイラン女性を支持
ハイヒールを履いていない女性たちが入場拒否されてきた歴史を持つカンヌ国際映画祭では、裸足でレッドカーペットやイベントに出席することが一種のデモ運動となっている。そんななか、Golden GlobeとVarietyが共同開催したイベントに、 ケイト・ブランシェットが裸足で現れた。
若手スターを称える同イベントで、イラン出身のフランス人俳優ザーラ・アミール・エブラヒミに賞を授与したケイトは、イランの女性たちに連帯するために裸足でイベントに出席したと米Varietyは伝えており、ケイトは「これは、女性の権利を邪魔するすべての人をグサリと刺すためのものです」と言ったという。
イランの性差別的な文化を取り入れた映画『聖地には蜘蛛が巣を張る』で2022年のカンヌ国際映画祭最優秀女優賞を受賞したザーラは、イランが「無実の人々を処刑している」事実を訴えかけた。
イランでは、2022年にマフサ・アミニがヒジャブの着用を巡り風紀警察に暴行を受けて死亡した事件をきっかけに、大規模デモが発生。現地の人権団体Human Right Activistsによると、現在までに約2万人のデモ参加者が逮捕され、500人以上が死亡しているという。イランの女性や女児は服装や言論において男性が受けない制限を長年受けており、法律や政策面でも、女性の就労差別や同一賃金の否定といった性差別を受けている。
もともとイランで俳優として活動していたザーラ自身は、恋人とのプライベートな動画が別の人物の手によってインターネット上に流出したことで、イランにて公序良俗法違反で捜査を受け、実刑と99回の鞭打ち刑という判決を受けたものの、イランを出国してフランスに亡命。2017年にフランス国籍を取得した。(フロントロウ編集部)