ハリー・ベイリー、自分の映画起用がサプライズではない世界へ
―実写版『リトルマーメイド』でアリエル役を務める俳優。
「私にとってジェンダー平等な世界とは、平等であると言う必要すらない世界です。私のような人間、有色人種の女性が、アリエルのような役を演じても、それが人々にとって衝撃や驚きではない。私たち黒人や茶色の肌の女性が、なんでもなりたいものになることができる。好きなことをやって、お互いを高め合って、最終的にお互いがより良い世界を作ることで、美しい音を奏でることができるのです。私の名前はハリー・ベイリー。機会の平等と尊厳、そして安全のために鐘を鳴らします」
アーリヤー・バット、女性たちは劣った性ではない
―『RRR』にも出演したボリウッド俳優。
「家父長制が応戦しています。これは好ましくありません。多くの女性にとって、劣った性別として認識されたり、劣った性別のように思われたりすることは、システムや日々の生活の中に自然に組み込まれていることなのです。そのため、スピーチや会話だけでなく、選択と行動を通じて、絶えず物語を修正しなければなりません。もし女性が力を得て、自分自身の中で生産的になれば、家庭でも子どものために生産的になり、地域や国のために生産的になり、それはその女性に関わるすべての人に波及効果をもたらすのです。私の名前はアーリヤー・バット、インドの女性たちと一緒に鐘を鳴らしています」
キアラ・フェラーニ、自分の世代の重荷を次の世代に継がせない
―イタリアのインフルエンサー、デザイナー。2017年、経済紙Forbesのトップファッションインフルエンサーに選ばれている。
「まず問題なのは、私たち女性が、決して対等に見られていないことです。娘を持つ私は、男女平等を実現するためには、息子や娘に日々何をすべきかを教えることがとても重要だと考えています。まだまだ、やるべきことはたくさんあります。私は、私たちの世代の娘たちに私の世代が経験したような困難を味わわせたくないのです。私はとても希望を持っています。私の名前はキアラ・フェラーニ、女性の社会的地位向上のために鐘を鳴らします」
ジョディ・ターナー=スミス、個々のニーズを理解してそれに応えよう
―イギリスの俳優でモデル。俳優のジョシュア・ジャクソンにプロポーズし、女性からのプロポーズを良く思わないという女性差別にあった。
「もし私たちが、この場所を見つけたときよりも良くして帰ろうとしないなら、私たちは本当に何をしているのでしょう? 男と女は違うのです。だから、同じものを手に入れるだけではダメなんです。その違いを理解し、それぞれのニーズに応えることが重要であることを理解することです。それが、男女平等の世界の姿だと思います。『あなたのニーズを理解しました。それにできる限り応えます』と言う世界です。一人ひとりの性自認のためのスペースを確保し、それが負担にならないようにすることなのです。私はジョディ・ターナー・スミス、男女平等のために鐘を鳴らします」
シンディ・レヴィ、男女平等は性別・人種・階級を超えた闘いである
―米誌GlamourやSelfの元編集長で、出版業界で女性擁護活動に力を入れてきた。
「男女平等は全員の闘いである必要がありますよね。女子が背負わされるものではありません。私たちはすでに、賃金格差や多くのジェンダー・ステレオタイプと共に生きています。『さらにその上、物事を変えなければならないのはあなたです』と言うのはどうでしょう。男女平等を実現するために、すべての社会に変わる責任があるのです。そこには男性も、ノンバイナリーの人たちも含まれている必要があります。そしてもちろん、女性もすべてのコミュニティーのために参加する必要があります。人種的公正、経済的平等、地球を救うための真の戦いなくして、男女平等はありえません。そして、私たちはそれを実現しなければならないことを理解しています。私の名前はシンディ・レヴィ。より良くするために闘っている人たちのために鐘を鳴らします」
ジャハ・デュクレ、女性器切除の撲滅のために闘う
―UN Womenアフリカ親善大使で、女性の権利活動家。反女性性器切除運動家で、自身も生後すぐに女性性器切除を受けている。
「私たちが基本的な権利、つまり平等を求めることに関して、世界が問題を抱えているような気がします。私は、特に女性器切除や児童婚のような問題に対処することに関して、多くの進歩を感じています。私は今日、皆さんの前にいますが、私のようなストーリーを持つ出身地の女の子たちは、ここまで来られないのです。なぜなら、彼女たちの多くは亡くなってしまっているからです。ほとんどの生存者は声を上げています。自分の声を使うのは大変で難しいことかもしれません。でも、私たちにはそれができるのです。私の名前はジャハ・デュクレ。私は、女性器切除を受けた世界中の2億人の少女たちと一緒に鐘を鳴らします」
アマンダ・グエン、女性の話を“聞く”ことでも闘いに参加できる
―レイプ被害者の権利保護活動を行うNGO団体Riseの設立者で、「性的暴行被害者の権利法」の成立に寄与した。2019年のノーベル平和賞にもノミネートされている。
「喜びは最も根本的な反抗の形です。私たち一人ひとりには、男女平等を進めるために果たすべき役割があります。そして、それは デモ行進を計画したり、法律を制定したりするような大きなことである必要はありません。共感すること、母親の話を聞くこと、彼女たちの経験を理解すること、彼女たちの視点を読んで知ることなど、小さなことでいいのです。私はこう思います。母がボート難民として生を求めて死地に赴くことができたのであれば、議員にメールを送ることくらい何なのかと」
マリアンゲル・ガルシア=ラモス、フェミサイドは毎日起きている
―Women Enabled International事務局長。ジェンダーだけでなく、ダイバーシティや障害者の問題に対しても取り組んでいる。
「女性に“声を与える”必要はないと思います。私たちはすでに声を持っているのですから。私たちはまだ安全ではありません。私たちの命や安全、尊厳を守ることに実際に焦点を当てた戦略はまだありません。メキシコやラテンアメリカでは、毎日、女性がフェミサイド(※女性・少女が女性・少女がゆえに男性に殺されること)で亡くなっています。ジェンダーに基づく暴力は、毎日増え続けています。ですから、もし私たちが安全でないのであれば、私にとってはそれが最大の課題のひとつです。私たちは尊厳を持って、幸せで自由に生きるべきです」
セリーナ・ウィリアムズ、女性を尊重すれば扉は開かれる
―男女にかかわらず「キャリア・ゴールデンスラム(※グランドスラム4大会の制覇とオリンピックで優勝すること)」を達成した唯一のテニス選手。史上最強の女子テニスプレーヤーとも称される。
「私は女性だらけの家で育ちました。つまり、家には6人の女性と1人の男性がいました。男女平等に向けて、より前進しています。今が2023年であることを考えると、とても興味深いですね。10年前、20年前、30年前と比べれば良くなっていますが、まだまだ大きな格差があります。私が生きている間に、少女と女性のために見てみたい変化は、ただ尊重することです。一般的に、女性をもっと尊重するようになれば、もっと多くの扉が開かれるはずです。私はセリーナ・ウィリアムズ、男女平等のために鐘を鳴らします」
ヴァルキリー、女性たちも空間に存在する権利がある
―388万人の登録者を抱えるYoutuberおよびストリーマー。ゲーム実況が有名。
「隠したくなんてありません。別に恥じているわけではないのだから。女性はゲーマーになるべきでないという烙印や思い込みがあるんです。ゲームは男性のものだって。でも、私はずっとゲームをしてきました。この空間に存在する権利があるんです。私だけでなく、他の女性たちがそのような烙印に対して反発しているのを見るとそう思います。私たちは、まさにその始まりを体験しているような気がします。女性のための未来の経験をしているような感じです。とてもいい気分です。私の名前は ヴァルキリー、ゲーム業界の女性のために鐘を鳴らします」
シネイド・バーク、サイロ思考が疎外者をさらに疎外する
―TED Talkでのトークが話題になり、ファッション業界で注目が集まる。軟骨無形成症で、障害者のインクルージョンを唱えている。メットガラに出席したことも。
「私たちは人々の生存権のために戦わなければなりません。あまりにも長い間、進歩はサイロ思考(※組織内の部署やチームが互いに知識を共有したり協力したりせず、長期的な目標の達成を困難にする態度のこと)の枠にはめられてきました。性別、階級、人種、障害、宗教。そして、これらのムーブメントは重要であり、影響力を生み出している一方で、最も疎外されている人々をさらに疎外するものでもあります。多くの場合、取り残されるのは少女たちです。最も公平な方法で、誰もが真に成功のために用意された道を持てるよう保証することが重要です」
サミラ・ナスル、全員で全員のために闘う
―有色人種の女性として初めて、米誌Harper’s Bazaarの編集長を務めた。
「私は平等ではないと感じる場にいたことがありますが、それはおかしいです。私たちが後戻りをしているというのが、私の感じる現実です。『私はフェミニストです』『女性に関する問題に関心があります』『少女たちを気にかけています』と言うだけでは十分ではありません。私たちは闘い続けなければなりません。私たちは腕を組み、私たちの姉妹のために闘うことに尽力しなければなりません。世界のある地域の女性だけではダメなのです。私たち全員が一緒に闘わなければなりません。私はサミラ・ナスル。世界中の女性と少女の自由のために鐘を鳴らします。私たちへの待遇は改善されてしかるべきです」
タニヤ・コンパス、若者たちは人々のあり方を再定義している
―イギリスのユースワーカー、LGBTQ+アクティビスト
「ジェンダーとは何か、どのような見た目か、どう在るものか。それを人々が再定義しています。“女性と少女”の会話をするなかで、多くの人の存在が欠落してしまいます。その会話のなかで、人種について話しているのか? ニューロダイバージェント(※精神または神経機能の多様性のこと。自閉スペクトラム症やADHSなどを指す)について話しているのか?それとも、ストレートの女性・少女について話しているのか?トランスやノンバイナリーの人々は議論から排除されることが多いです。そんななか、若い人たちはそういった言葉の意味を破壊しています。こういう見た目であるべきだという考えや、この世界においてどのように存在できるかを破壊しています。私はタニヤ・コンパス。若者のために鐘を鳴らします」
ジュリア・ロバーツ、若者の知識と責任感に刺激を受ける
―映画『食べて、祈って、恋をして』や『オーシャンズ』シリーズ、『エリン・ブロコビッチ』などで知られる俳優。
「女性にとってこの世界がどれほど恐ろしいものか。女性について歴史的に何かわかっていることがあるとすれば、私たちが信じられないほどの決意を持ち、無限に強く、必ずしも与えられているわけではないリソースと力を生み出すために団結する方法を知っていることです。私に希望を与えてくれているのは18歳の娘です。彼女と彼女の友人たちは、女性の権利や気候変動など、自分たちに責任があると感じている多くの事柄について十分な知識を持っていて、私に日々刺激を与えてくれます。それは本当に感動的なことだと思います」
サルマ・ハエック・ピノー、男女平等にはそれ以上のドミノ効果がある
―メキシコ生まれ。ラテン系としてハリウッドで役をつかむのに苦労したが、『デスペラード』への出演で名が知られるようになった。アカデミー主演女優賞にノミネートされたこともあり、2005年にはカンヌ国際映画祭の審査員を務めた。
「それは、これまで以上に闘う価値のある闘いなのです。男女平等という概念を当たり前のこととして受け入れたとき、世界では他の多くの問題が変わっていくでしょう。ドミノ効果をもたらすのです。国家間の暴力紛争を軽減することさえできます。なぜならそれが意味するのは、他の人間に対する敬意を持つということだからです。バカバカしいと思うかもしれませんが、私たちはそのために闘っているのです。私の名前はサルマ・ハエック・ピノー、男女平等のために鐘を鳴らしています」
その他の動画はGUCCIの公式YouTubeから見ることができる。(フロントロウ編集部)