ディズニーのこども病院イニシアチブを国内で拡大
6月19日に国立成育医療センターでの新導入が発表された「ディズニーのこども病院イニシアチブ」は、“最も必要とされるときに、やすらぎと楽しいひと時をお届けすること”をスローガンに、入院している子どもたちの病院での経験を少しでも支援することを目的としたプロジェクト。
国立成育医療センターでは、採血室・人口透析室に向かう全長80メートルの壁にディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズのキャラクターが施されたインタラクティブな壁紙を設置する、ミッキーやミニーに“変身”できる病衣を提供する、医師や看護師のスタッフバッジに全16種のキャラクターを採用する、1階にてディズニープラスの作品を視聴できるシアターを設置するというプログラムを展開。
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の代表取締役社長キャロル・チョイは、「ウォルト・ディズニー・カンパニーは約100年にわたり地域社会に貢献し、ディズニーの魔法を最も必要とされる場所に届けてきました。私たちは過去100年間、私たちのキャラクターや物語が喜びや勇気を与えることを目の当たりにしてきました。国立成育医療センターを訪れた子どもたちとそのご家族が、困難な状況のなかで安らぎを得られるために、ディズニーのキャラクターと物語をお届けできることを光栄に思います」と語った。
チョイ社長の言葉どおり、ディズニーのキャラクターたちは、喜びや勇気、そして想像の世界に逃避する楽しみも与えてきた。この日の発表会でミッキーが登場した瞬間に子どもたちの顔がパッと明るくなったことからは、このイニシアチブが子どもたちに与えるインパクトの大きさが感じられた。そしてその影響は大人にも及ぶ。子どもを連れてきている親もそうだし、医療従事者たちもそう。この日はスタッフや親も一緒になってミッキーの登場に盛り上がっていた。主役は子どもたちであるが、病院を訪れる全員の経験を少しでも明るくできるのは、あらゆる世代にアプローチできるディズニーキャラクターだからこそだろう。
今回のイニシアチブに関して、認定NPO法人 難病のこども支援全国根とワーク専務理事の福島慎吾氏は、「病院というとても制約の多い環境の中で、子どもたちはつらい治療や検査に対して不安や恐怖を感じています。また、ご兄弟やご家族もそうです。彼らに安らぎや勇気、希望というポジティブなメッセージを与えていただけと思います。家族の皆さんが持つ家族の力をエンパワーメントするという意味でとても意義を感じました」と評価した。
またこの日印象的だったのは、キャラクターがあしらわれたスタッフバッジを見て「アリエル好きなんですね」「私はこの中ならウッディ」なんて会話が取材陣とスタッフの間で誕生していたこと。このような会話が、嫌いな治療に向かおうとする子どもとの信頼関係構築でどれだけ役に立つかは想像たやすい。
国立成育医療研究センター病院長の笠原群生氏は、「病院に行くとちょっと楽しいことがある、ディズニーのキャラクターに会いに行こうという状況を作り出したり、ディズニーの物語を想像しながら少し勇気を持って採血や検査に耐えていけたりするんじゃないかなというふうに思います。また同時に、今日はたくさん来ている職員のみんなもコロナ禍で大変一生懸命働いてくれております。職員たちも本当にこの水のキャラクターの設定に大変感謝を申し上げております」と、イニシアチブを歓迎した。
ディズニーでは、ウォルト・ディズニーが生前、ディズニーのアニメーターやキャラクターを連れて入院している子どもたちを訪問して以来始まった、ディズニーが子どもたちと家族のために行っている支援の歴史を基盤に、2022年に神奈川県立こども医療センターでディズニーキャラクターをあしらった壁紙を国内初導入。その後も、こども病院および子どもを支援するNPO団体にディズニーストアの人気商品から50種類以上、3,700個の商品を提供するなど、様々なかたちで継続的な支援を行っている。病院での壁紙等の導入は今後全国に展開していきたいそうで、キャラクター病衣に関しては、すでに東京・神奈川・岩手・群馬・静岡の6病院にてテスト導入が開始されている。