ある女性がバーやレストランで71時間働いた時の手取り額を公開し、そのあまりの少なさに「チップ制度」に関する議論が巻き起こっている。

71時間の給料がたったの1300円、給与体系に疑問

 ある女性がバーで働いて得ている収入を公開し、「チップ制度」の是非に関する議論を呼んでいる。スポーツバーで勤務しているというアリーヤ・コルテスという女性は、71時間も働いたにもかかわらず、わずか9.28ドルの収入しか得られなかったという。

 「これが、バーテンダーや接客係をはじめとする、あなたに給仕してくれる人やサービスを提供してくれる人にチップを渡すべきである理由」と語るアリーヤが、TikTokの動画で公開した給与明細は驚くべきものだった。彼女の時給はたったの2.13ドル(約300円)で、70.80時間働いても得られる給料はたったの150.81ドル(約2万1,000円)。そこから社会保障税や保険料、所得税が引かれ、手取りとして残ったのが9.28ドル(約1,300円)だった。

 日本ではあまり馴染みのないチップ制度。素晴らしいサービスを受けた際に感謝を示すためのものだと思っている人が少なくないが、アメリカのサービス業では、チップありきで給与が低く設定されている職場が少なくないため、サービスの質に関係なくサービスを受けたらチップを支払うのは当たり前という考えが主流。ただやはり、「チップを渡すかどうかは自由だ」と考える人がアメリカにも一定数おり、それがアリーヤの今回の経験につながったと考えられる。

 幸いアリーヤは「素敵なアパート」を買えるほどのチップを普段は貰っているというが、「サービス業で働くすべての労働者がそうであるわけではない」という。

 アリーヤの動画には、「ありがとう!私は何年も接客係をしていたけど、あまりにも無知な人がいる。チップを払わないなら、マクドナルドがあるじゃない」と彼女の意見に賛同するコメントも寄せられた一方で、「あなたの職場のバーやレストランは無償で労働力を得ている。それはダメ」「だから、アメリカは他の先進国と同じように、チップ文化は持たないほうがいい。企業は賃金を支払うべき。チップはあってはならない」など、チップを前提とする給与体系を疑問視するコメントも多数集まった。

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