韓国の自動車メーカー「Hyundai」(ヒョンデ)は、2022年5月、“ゼロエミッションヴィークル”のみを“オンライン販売”するという、まったく新しいスタイルで日本のマーケットに再参入した。(佐藤 久実)

数々の賞を受賞する注目の「IONIQ5」

画像1: 「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」

「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」

 2023年6月、この1年の振り返りと今後の展開を示す「Hyundai Brand Day」が開催された。日本ではまだまだ認知度の低い電気自動車「IONIQ5」だが、2022年度の「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」大賞受賞、「日本・カー・オブ・ザ・イヤー」のインポートカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなどグローバルで高く評価されている。

 サステナブル素材を用いたインテリアや革新的な機能、広い室内空間が特徴的。日本においては、40~50代のアーリーアダプターがメインユーザーとなっており、ユニークなデザインや電気による新たなライフスタイルに高い満足度を得ているという。

画像2: 「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」

「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」

 今後はさらなる認知度向上のため、「顧客参加型」の施策を展開していく。高い買い物だもの、実物を見ないでネットでポチッとするのは不安がある、とか、“電気”でどんなカーライフが得られるのか、という疑問もあるだろう。

 そこで、全国主要都市における「City Store」「Hyundai Mobility Lounge」での車両展示や、オンライン体験「Customized CX Journey」が用意される。また、ユーザーにとっては購入後のサービス体制も気になるところ。現在、全国に44の提携拠点があるが、全国のオートバックスでのサービス体制も整えているというというから心強い。

「IONIQ5」の特別限定車「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」が発売

 そんな「IONIQ5」の特別限定車「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」が発売された。専用のボディカラーが2色用意され、「デジタルサイドミラー」が採用される。死角が少なく、空力にも優れ、リバースギヤに入れると画角が広がり、OLEDを採用しているので雨天/夜間の運転でもクリアな視界が確保されると良いことずくめ。私も韓国で試乗したが、安心安全で快適なドライブをサポートしてくれる。

画像3: 「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」

「IONIQ5Lounge AWD Limited Edition」

 一方、カタログモデルもアップデートが図られた。「Voyage」グレードにAWDが設定され、より低価格で、パワーと安定性に優れるAWDをチョイスできるようになった。また、充電前にあらかじめバッテリーの温度を高め、初期充電出力を一時的に高めるブースト・チャーシングプログラムが採用された。

安心のカーライフサポートプログラム「Hyundai Assurance Program」

 さらにさらに、「Hyundai Assurance Program」の内容がスゴイ。「ヘルスケア」(車検・点検)では、新車登録後3年目までの法定点検や車検費用、電気自動車の要であるバッテリーの性能維持のためのクーラント交換の費用をヒョンデが負担するという。他ブランドでも、有償でのサービスパッケージはあるが、新車購入時に標準で無料付帯するなんて、聞いたことがない。しかも、昨年5月以降に購入した顧客に対しても適用されるという太っ腹ぶり。

画像1: 「IONIQ6」

「IONIQ6」

 「スタイルケア」(外観のダメージケア)は、バンパー、ドアミラー、フロントガラス、タイヤ最大2本のうち、1年ごと1件、最大10万円分まで無償修理してくれるという。大事な愛車が傷つくのは悲しいけれど、こんな至れり尽くせりのプログラムがあれば安心だ。1年間、顧客の声に耳を傾けニーズに応えて進化させる、ヒョンデの「おもてなし」ぶりが素晴らしい。

 そして今年はニューモデルも登場する。IONIQ5よりコンパクトで使い勝手の良い「コナ エレクトリック」は今秋発売。また、爽快な運転の楽しさを提供してくれるハイパフォーマンスデルブランド「N」からは、「IONIQ5N」が発売予定。

 日本未発売の「IONIQ6」は、昨年に続きワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2年連続受賞のみならず、ワールドEVカー・オブ・ザ・イヤー、ワールドデザインカー・オブ・ザ・イヤーの3冠達成という偉業を成し遂げている。

画像2: 「IONIQ6」

「IONIQ6」

 それを記念して、国内各地で展示や試乗イベントを開催するという。電気自動車市場が成熟していない日本では、趣味性の高いクーペは現状販売予定はないが、反響が高ければ日本導入もあるかも⁉

 K-POPをはじめエンターテインメントやグルメでは、日本でも人気の韓流。ヒョンデがその波に乗るのも時間の問題かな。

佐藤久実 Profile
モータージャーナリスト/レーシングドライバー
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
日本モータージャーナリスト協会会員

大柳編集長もイベントで体験!

画像1: 大柳編集長もイベントで体験!

 約13年ぶりに日本へ再参入することとなったヒョンデは、かつての“ヒュンダイ”から、韓国語の発音に近い“ヒョンデ”へと名前を改めた。

 クルマメーカーがネーミングの変更とはあまりにも大胆な試みだけれど、名前だけでなくクルマ自体が大胆なイメージチェンジを図り、その進化したデザインの車体を初めて見た時には、なんてフューチャリスティリックでクールなデザインなんだろう!と驚いた。

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 エクステリア、インテリア共に、シャープで切れ味バツグンの曲線美。他にありそうでないデザインに仕上がっている。かつての自分が知っていた“ヒュンダイ”のイメージと異なるばかりか、イメージチェンジを図った“ヒョンデ”は無駄がなくそれでいて洗練されたデザインは各パーツまで行き届いていて、運転席に座っても近未来的なデザインに圧倒される。

画像3: 大柳編集長もイベントで体験!

 日本には13年ぶりの再参入となったが、いつのまにかヒョンデは、トヨタ自動車とフォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の自動車メーカーへと上り詰めていた。2030年までにEV(電気自動車)を年間200万台販売する目標を掲げ、電動化戦略を加速させており、機能性、デザインともに更なる進化が期待されている。これからのヒョンデに目が離せない!(大柳 葵理絵)(撮影:Naoto Hayasaka)

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