規格外野菜の価値を見つめ直し、彫刻・絵画・写真・音楽・物語・言葉の切り口で作品化した「アートな青果展」が、2023年7月21日よりITOCHU SDGs STUDIOで開催される。(フロントロウ編集部)

規格外野菜の個性を見つめる「アートな青果展」

 ITOCHUSDGs STUDIOでスタートする「アートな青果展」は、長年にわたる商習慣で固定化された規格設定に対して、「規格外野菜は、本当にこんなにも価値・価格が低いのか」という問いを投げかけ、現代の価値観で見つめ直すきっかけを提供する美術展。

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 これまでの商習慣で続いてきた厳しい農産品規格は、物流の効率や安全性などの利点がある一方で、規格内の農産物をつくるための過剰生産と過剰廃棄を引き起こしている可能性もある。収穫後に出荷されずに廃棄される野菜は膨大な量にのぼると言われているものの、食品ロスの数値には正確には表されていない。

 一方で、規格に満たない野菜が価値・価格が低いとされるまま市場に多く出回ると、農産物全体の価格下落、農業関係者の大きな収益下落が起きる可能性もあり、解決の糸口が見つかりづらい社会課題となっている。

 人においては個性・ダイバーシティの価値観がアップデートされている現代。生活者一人ひとりが野菜に対しても、形が変わっている、傷がある、味わいが異なることを「価値が劣る」と捉えずに、「価値ある個性」と捉えることがフードロス解決の一助になると考え、規格外野菜の個性を見つめていく。

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 そんな「アートな青果展」では、規格外野菜の魅力を感じた上で、規格外野菜とアート作品をその場で値付けし購入できる青果店コーナーも。販売の売上は、仕事がない人や働きづらさを抱えている人と、人手不足の農業をつなげる活動を行なうNPO法人「農スクール」へ寄付される。

6つの角度から規格外野菜の可能性を切り取る

 「アートな青果展」は、彫刻、絵画、写真、音楽、物語、言葉の6つの角度から規格外野菜の可能性を切り取り、野菜の価値を見つめ直す体験展示を行なう。

画像1: 6つの角度から規格外野菜の可能性を切り取る

 固定観念を覆す“規格外”な芸術の鑑賞を経て、規格外野菜にどんな値付けを行うのか、普段は廃棄されたり価格が下がったりすることが多い野菜たちが、視点を変えることでどれほどの価値になるのか、展示会を通じて実際に考えるきっかけを提供する。

 「カタチを見つめる 彫刻」①という展示では、実際に収穫された規格外野菜を3Dスキャンし、彫刻作品として作品名と作者である生産農家の方の名前を添えて展示。ありのままの姿がすでに彫刻作品を思わせる、規格外野菜たちのユニークなカタチをじっくり鑑賞できる。

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 「カタチを見つめる 彫刻」② キミも野菜彫刻というコーナーは、写真撮影ができる体験展示。ブースで写真を撮ると、来場者自身が規格外野菜の彫刻作品に変身。変身する野菜は来場者の好きなものを選ぶことができ、画像は額装されてタイトルが付けられる。自分自身が野菜に“なってみる”ことで、自分の規格外な魅力が見つかるかも。

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 「魅力を紡ぐ 物語」では、今までにない規格外野菜ならではの魅力に目を向けることで生まれた、規格外野菜が主役の10の物語を展示。一冊ずつ手に取って、じっくり読むことで、今までとは一味違う物語と野菜の魅力に出会える。

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 また「視点を新しく 言葉」という展示では、規格外野菜の見方を変えたら、新たな言葉も生まれるのでは?という視点を出発点に、新しいことわざが書かれた新しいかるたを制作。いったいどんな意味なのか、考えながら遊んでみて。

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 そのほかにも、規格外野菜から作られたクレヨンや絵の具などのアップサイクル画材で、元になった規格外野菜をモチーフに描いた作品「色を感じる 絵画」や、「歪んだ」「裂けた」など、個性的な野菜たちが規格外野菜になってしまった理由に焦点を当てたアートフォトの展示「いびつさを愛する 写真」、規格外野菜の個性的な断面を音に変換し、さまざまな野菜を組み合わせてひとつの音楽を作曲した「個性を奏でる 音楽」など、さまざまな展示を通じて規格外野菜の個性を表現していく。

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「アートな青果展」概要
主催:ITOCHU SDGs STUDIO
オープン日:2023年7月21日(金)~9月18日(月・祝)
会場:ITOCHU SDGs STUDIO GALLERY (東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1)
営業時間:11:00~18:00
休館日:月曜日(※月曜日が休日の場合、翌営業日が休館) 
アクセス:東京メトロ 銀座線『外苑前』駅 出口 4a より 徒歩2分
東京メトロ 銀座線・半蔵門線・都営地下鉄 大江戸線『青山一丁目』駅 出口 1(北青山方面) より徒歩5分
料金:無料

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