■グレタ・ガーウィグ監督は人工的かつリアルな雰囲気があるバービーランドをつくり出す方法や照明について考えていた際に、『トゥルーマン・ショー』のピーター・ウィアー監督に電話をかけてアドバイスを求めた。
■バービーランドのセットデザインに、黒や白一色で彩られたものは一切使われていない。
■バービーランドはさまざまなピンクが混在しているため、美術チームの初期ミーティングでは異なるピンクが隣り合わせになったときに互いがどう作用するかを監督と分析・研究した。
■バービーたちはシャネルが大好きだからシャネルの衣装をたくさん着ている。
■バービーとケンがロサンゼルスに到着するまで、観客が太陽の光を目にすることはない。バービーランドのシーンはすべて、ワーナー・ブラザース・スタジオ・リーブスデンの防音スタジオで撮影された。
■マテル社の役員室の外に広がる全長75メートルの景色は手作業で描かれており、ワーナー・ブラザースのロゴもカメオ登場する。ロサンゼルスの街は映画『オズの魔法使』に登場するエメラルドの都にちなんで描かれている。
■ウィル・フェレルの演技は、グレタ・ガーウィグ監督の勧めでアドリブ。ウィルがジェイミー・デメトリウとコナー・スウィンデルズとともにさまざまなアイデアを出して取り組んだそう。
■ウィル・フェレル演じるキャラクターは、単にマテル社CEOとされており、名前が明かされることはない。またジェイミー・デメトリウ演じるキャラクターをはじめとするマテル社社員も同様に、マテル社重役その1、その2とだけ名付けられている。皮肉なことに、コナー・スウィンデルズ演じるマテル社のインターンだけが、アーロン・ディンキンスという名前を与えられている。
■ケイト・マッキノンが演じたバービーの家には、セット全体に穴が隠されている。撮影中にマッキノンが自分の片足を隠せるようにした細工であり、開脚をしているように見せるために偽物の足は壁に掛けるように上げられている。
■ワーナー・ブラザース・スタジオ・リーブスデンのステージNで、キャストとスタッフが晴天のような見た目のバービーランドのビーチシーンを撮影している間、外は猛吹雪でとても寒かった。
■バービーのダンスパーティーシーンのため、振付師のジェニファー・ホワイトは、グレタ・ガーウィグ監督のお気に入りの一作であるバスビー・バークレイ監督の『ゴールド・ディガース36年』に登場するダンス要素を意図的に取り入れた。
■ケンたちのために作られた揺り木馬は30台以上。美術部門がそれぞれのケンの個性を反映させて、すべて手作りで作成した。
■サーフィン中に事故にあったケンを助けるバービーの救急車は、おもちゃの救急車を実物大に模造している。部門間の共同作業で制作されたその救急車は、撮影現場で用いられた特殊効果によって、自動的に医師の手術室へと展開する。
■バービーとケンがロサンゼルスに到着するシーンの撮影に際し、グレタ・ガーウィグ監督は『真夜中のカーボーイ』に出てくる、ニューヨークの街を歩くジョン・ボイトが明らかに場違いに見えるシーンを参考にして、バービーとケンをどう見せたいか説明した。
■バービーのドリームハウスは、7.5メートル以上の高さがある。家のてっぺんから飛び降りるなどのスタントは、マーゴット・ロビーがすべて自分でこなした。
■映画『ミーン・ガールズ』から得たアイデアとして、スタッフは毎週水曜日にピンク色のものを身につけるよう奨励されたが、誰もがそれに対して真剣に取り組んでいた。
■撮影のロドリゴ・プリエトはグレタ・ガーウィグ監督とともに、バービーランドで用いた撮影と照明のスタイルを表現する“テクノバービー”という造語をつくった。
■マーゴット・ロビー演じるバービーは指輪を一切つけない。昔ながらのバービー人形は指がつながっており、指輪をはめられないことにちなんだもの。