紫外線の基礎知識
太陽から降り注がれる紫外線には、波長の長さによって「UVA(紫外線A波)」、「UVB(紫外線B波)」の2種類に大きく分けられる。
波長の長い「UVA」は、肌の奥深くにある真皮まで到達するとされており、UVAを浴び続けることで、肌にダメージが加わり、シワやたるみなどを引き起こす恐れがあるという。
一方で、波長の短い「UVB」は、肌の表面にある表皮に影響を与えるとされており、長時間浴びることで肌が赤く炎症を起こしたり、水膨れができたりすることがあるそう。また、UVBにはメラニンを増加させて、日焼けによるシミやソバカスの原因をつくるとも言われている。
日焼け止めの「SPF」とは?
日焼け止めのSPFは、“Sun Protection Factor”の略称で、肌を赤くする「UVB」に対する防止効果を示したもの。
SPFの数値は、“素肌と比べて日焼けするまでの時間”を表しており、SPF1あたり約20分で、SPF30は「約10時間」、SPF50は「約17時間」の紫外線防止効果が期待できる。つまり、数値だけ見るとSPF値が高いほうが効果も高いとされている。
SPF値は高いほうがいい?
では、日焼け止めはSPF値が高いものを選べばいいのだろうか?
皮膚科専門医のヨーラム・ハース医師によると、たしかにSPF値が高いほうが紫外線防止効果も高いけれど、じつは日常生活で使うなら「SPF30」で十分。
ハース医師は、「SPF30の日焼け止めは紫外線の約96.7%を遮断し、SPF50は約98%を遮断するとされます」と米mdacne.comで説明。
続けてハース医師は、「ただし、SPF50によって提供される1.3%分の防止効果は、SPF値の高い日焼け止めに含まれる余分な化学物質と潜在的な欠点を考慮すると、ごくわずかです」と忠告。SPF値が高い日焼け止めは、肌に負担をかけるものもあるため、ひとによっては肌トラブルの原因になる恐れがあるそう。
また、SPF値よってテクスチャーや使い心地も変わってくるため、とくに敏感肌や脂性肌の人は注意が必要。そのため、SPF50などの強力な日焼け止めは、真夏や日差しが強い日のレジャー、スポーツ時のみに使い、通勤や通学などの日常生活には、SPF20~30程度の日焼け止めを使うよう勧めている。
意外と知らない日焼け止めの基礎知識。SPF値の高さはもちろんのこと、日焼け止めは2時間ごとに塗り直すのが最も大切なので、数年後も美肌をキープしたい人はこまめに塗り直すことを忘れずに。