プリテンダーズのクリッシー・ハインド「50年かかります」
70~80年代に男性中心のロック界でプリテンダーズのリードボーカルとして活躍したクリッシー・ハインドが、一般のファンからポール・マッカートニーのような著名人まで、さまざまな人からの質問に英Guardianで回答。そのなかで、16歳の頃と71歳現在を比較してこう語った。
「年齢を重ねることには、さまざまな素晴らしさがあります。例えば、16歳のときには知らなかったけど今知っているということはあまりないですが、何かを知っていることとそれを悟ることには大きな違いがあります。何かを悟るには50年かかります」
若い頃には知識的には知っていることは多いが、その根底にある真理を十分に理解するためには人生経験が必要ということのよう。年齢を重ね、より多くの経験を積むにつれて、悟りが多くなった今は、「もっとリラックスした」と語ったうえで、「とはいえ、日々、イライラすることがないわけではありませんが」と付け加えた。
また、自身について「私はフェミニズムの申し子だと思っています。私にフェミニズム的でないところはありません」と評したクリッシーは、フェミニズムについても言及した。
「フェミニズムは、10年ごとに異なる課題を持っています。そうあるべきで、そうなくてはいけません。60年代に育った10代の頃は、私たちは問題を解決したと思っていました。私たちは前進して、女性は好きなことができるようになると思っていました。私にとっての大きな変化は、避妊ピルが登場する前と後です。ほんの80年前までは、女性は50歳までに流産を含めて30回妊娠していたかもしれません。現代のフェミニストたちは、そのことを忘れていることが多いと思います」
ちなみに今回は、クリッシーのファンだというポール・マッカートニーも質問に参加。ポールからは「なぜ肉を食べないのですか?」という問いが投げかけられ、1960年代からベジタリアンであるクリッシーは、「とくにきっかけとなった瞬間があったわけではないです。ヒッピー時代ですね。ベジタリアンという言葉を聞いて、1分くらい考えて、いいねと決断したんです。16歳か17歳のときでした。それ以来、そのせいで刑務所に入ったり、(動物愛護団体の)PETAと何年も活動したり。ビーガンレストランを営んでいたこともあります。そのおかげでリンダ(・マッカートニー)とも友達になれたし。なぜかって? 動物を殺す必要がないのなら殺さなくていいと思っているからです。動物が私を殺そうとしているなら話は違うかもしれません。でも逆に私は皆さんに聞きたい。動物を殺さなくても生きていけるのに、なぜそうするのですか?」。