9月1日に公開されるディズニー最新作『ホーンテッドマンション』には、ディズニーランドのアトラクション<ホーンテッドマンション>のファンが期待する要素がこれでもかと詰まっている。(フロントロウ編集部)

【あらすじ】『ホーンテッドマンション』が9月1日に全国劇場にて公開

 ニューヨーク出身の医者でシングルマザーのギャビーは、友達ができずに悩む9歳の息子トラヴィスと共に、ギャビーの母がかつて暮らしたことのあるニューオーリンズで新たな生活を始めようとする。ニューオーリンズの奥深くにある屋敷を破格の値段で手に入れた2人だったが、うまい話にはウラがあった――。この一見豪華すぎるマイホームには、遊び心にあふれたやつから「死ぬほど」シリアスなやつまで、実に様々なゴーストたちが暮らしており、その数はなんと999人。

 身の毛もよだつ不気味な怪奇現象に何度も遭遇した2人は、悪霊払いを専門にする神父のケントと契約を結ぶことにする。神父ケントは“グレイシー・マナー”という名の屋敷に棲み付く不必要な住人たちを排除するため、かなりクセが強い心霊エキスパートたちを招へいした。その面々は、ゴーストを信じない心霊写真家のベン、何かと物事を大げさにする霊媒師のハリエット、ニューオーリンズの悪霊の歴史に詳しいテュレーン大学教授で歴史学者のブルース・デイヴィスらだ。

 果たして彼らはこの“呪われた館“の謎を解明することができるのか。そして、彼らは重大な問題を知らずにいたのだ。この屋敷に入った者は必ずここのゴーストのひとりに永遠に憑りつかれる、ということを―。

『ホーンテッドマンション』をレビュー

 『ホーンテッドマンション』と聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか?

画像1: 『ホーンテッドマンション』をレビュー

 真っ先に、東京ディズニーランドにあるアトラクション<ホーンテッドマンション>を思い浮かべる人がほとんどであろう。それは、乗るまでちょっぴり怖くて、乗っている間は怖さと楽しさが同居して、そこで出会う999人ものゴーストたちはやっぱり怖いのだけどコミカルで親しみを持てて、乗り終わった後には笑顔になれる、そんなアトラクションだ。子どもたちも含めてどんな年代でも楽しめるアトラクションで、人生で初めて体験した“お化け屋敷”が<ホーンテッドマンション>だったという人も多いはず(まだの人は、初めてのお化け屋敷にぜひお勧めしたい)。

 かつてカリフォルニアのディズニーランドでキャストとして働いていたという異色の経歴を持つジャスティン・シミエンが監督した映画『ホーンテッドマンション』は、まさに“その通り”の映画になっている。

画像2: 『ホーンテッドマンション』をレビュー

 米ルイジアナ州ニューオーリンズにある呪われた館を心霊写真家のベンが調査するー映画の導入部分から、米ディズニーランドの<ニューオーリンズ・スクエア>の要素が忠実に再現されていることがわかるが、映画はここから、アトラクションのテーマ曲である「グリム・グリニング・ゴースト」はもちろん、ニューオーリンズらしい陽気なジャズなどのサウンドに彩られながら、アトラクションさながらにハイテンポで進んでいく。

 ひとたび呪われた館に足を踏み入れれば、そこはもう<ホーンテッドマンション>だ。終わらない廊下があれば、伸びる部屋もあるし、最初こそ登場シーンにドキドキするかもしれないが最後は愛らしくなってくるゴーストたちも含めて、さすが元キャストが監督しただけあって、ディテイルまでかなりのこだわりよう。

画像3: 『ホーンテッドマンション』をレビュー

 もちろん、観客の目を離させないのは、どこからゴーストたちが飛び出してくるかわからないドキドキ感だけでなく、一癖も二癖もある4人の心霊エキスパートたちが、“なぜホーンテッドマンションに閉じ込められてしまったのか?”という謎解き要素も含んだストーリーも同じ。最初にこの館に引っ越してきた親子を含めて、集まった人間たちのコミカルなやり取りに載せて展開されるストーリーは、ミステリアスでありながら、温かさと人間味に満ちていて、誰もが共感できるストーリーを生み出し続けてきたディズニーが100周年に贈るのに相応しい物語になっている。

画像4: 『ホーンテッドマンション』をレビュー

 “<ホーンテッドマンション>をディズニーが100周年に実写化”という事実そのものに目が行きがちだが、そのストーリーを支えているのは豪華な実力派俳優たち。主役のベンを演じるのは映画『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア』でアカデミー賞にノミネートされたラキース・スタンフィールドで、ティファニー・ハディッシュやオーウェン・ウィルソン、ロザリオ・ドーソン、ジェイミー・リー・カーティス、そして伝説のゴースト「ハットボックス・ゴースト」“でしかない”ジャレッド・レトという、経験豊富な俳優陣が脇を固める。

 アトラクションさながらのスリルと、ドキドキ感と、楽しさと、スピード感が再現されているのはもちろん、その中心を流れていくストーリーも、同じくらい観客を惹きつけてくれるものになっている。 この映画はアトラクションの魅力をそのままに、そこにディズニーらしいハートフルなストーリーを付け加えるという、アトラクションの実写化に求める要素が詰め込まれている。


<公開情報>
『ホーンテッドマンション』
9月1日(金)全国劇場にて公開
© 2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

画像5: 『ホーンテッドマンション』をレビュー

原題:Haunted Mansion
監督:ジャスティン・シミエン
出演:ロザリオ・ドーソン/オーウェン・ウィルソン/ティファニー・ハディッシュ
ラキース・スタンフィールド/ダニー・デヴィート/ジャレッド・レト/ジェイミー・リー・カーティス 
全米公開:2023年7月28日 
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

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