デビューアルバム『スノー・エンジェル』が女性アーティストのデビュー作として全米で2023年最大の売り上げを記録した新人アーティスト、レネー・ラップってどんな人? ブロードウェイ版『ミーン・ガールズ』のアイコニックなレジーナ・ジョージ役で一躍知られるようになり、次世代のクィア・アイコンとしても注目を集めるレネーについて特集。(フロントロウ編集部)

デビュー作『スノー・エンジェル』が女性アーティストとして2023年最大のデビューアルバムに

 現在23歳の新人アーティストであるレネー・ラップ(Reneé Rapp)が2023年8月18日にリリースしたデビューアルバム『Snow Angel(スノー・エンジェル)』が、リリース初週に1万8,000ユニットを売り上げて、米Billboardの全米アルバムチャートで44位にランクイン。女性アーティストとして、2023年に全米で最大のデビュー作となった。

画像: レネー・ラップ『スノー・エンジェル』

レネー・ラップ『スノー・エンジェル』

 同作は全英アルバムチャートでもいきなりトップ10入りを果たし、7位にランクイン。世界で最も注目を集める新人アーティストの1人となっている。

高校で演劇賞を受賞し演劇界の逸材として注目を集める

 新人アーティストとして華々しいデビューを飾ったレネーだが、2000年1月10日に米ノースカロライナ州シャーロット郊外で会計士の母親と医薬品業界で働く父親のもとに生まれたレネーが、最初にその才能の頭角を表したのは、演劇の世界でのこと。

画像: 2019年のジミー・アワードの受賞者たち。一番右が女優として最優秀演技賞を受賞したレネー・ラップ。

2019年のジミー・アワードの受賞者たち。一番右が女優として最優秀演技賞を受賞したレネー・ラップ。

 幼い頃からパフォーマンスすることに関心があったレネーは、高校で演劇に挑戦。全米で最も優れた高校生の演劇に贈られる演劇賞であるジミー・アワードで、女優として最優秀演技賞を受賞するほど、演技の才能を開花させた。

ブロードウェイ版『ミーン・ガールズ』レジーナ・ジョージ役に抜擢

 ジミー・アワードを受賞したレネーはその後、一度は演技の道に進むことを決めて、ブロードウェイの本場であるニューヨークへと移住。2019年には、カルト的な人気を誇る2000年代を代表するティーン・ムービーである『ミーン・ガールズ』のブロードウェイ版で、オリジナルの映画版ではレイチェル・マクアダムスが演じたアイコニックなレジーナ・ジョージ役に抜擢された。

画像: (左から)ブロードウェイ版『ミーン・ガールズ』でジャニス・サーキシアンを演じたバレット・ウィルバート・ウィード、ケイディ・ヘロンを演じたダニエル・ウェイド、レジーナ・ジョージを演じたレネー・ラップ。

(左から)ブロードウェイ版『ミーン・ガールズ』でジャニス・サーキシアンを演じたバレット・ウィルバート・ウィード、ケイディ・ヘロンを演じたダニエル・ウェイド、レジーナ・ジョージを演じたレネー・ラップ。

 『ミーン・ガールズ』はブロードウェイ版をベースにした新作映画『Mean Girls: The Musical(原題)』が製作されているが、レネーはこの新作映画でもレジーナ・ジョージを演じる。

『セックスライフ・オブ・カレッジガール』でティーンの人気者に

 ブロードウェイでレジーナ・ジョージというアイコニックなキャラクターを演じて経験を積んだレネーは、その後、映像業界にも進出。2021年には、日本ではU-NEXTで配信されている、女子大生たちのセックスライフを描くドラマ『セックスライフ・オブ・カレッジガール』で、メインキャラクターの1人で、レズビアンであるレイトン役に抜擢された。

画像: (左から)『セックスライフ・オブ・カレッジガール』でキンバリーを演じるポーリーヌ・シャラメ、ホイットニー役のアリヤ・シャネル・スコット、ベラ役のアムリット・カウル、レイトン役のレネー・ラップ。

(左から)『セックスライフ・オブ・カレッジガール』でキンバリーを演じるポーリーヌ・シャラメ、ホイットニー役のアリヤ・シャネル・スコット、ベラ役のアムリット・カウル、レイトン役のレネー・ラップ。

音楽こそがずっとやりたいことだった

 ブロードウェイから人気ドラマと、俳優としての階段を着実に駆け上がっていったレネーだが、俳優活動を続けるなかでも、アーティスト活動への強い思いはずっと抱き続けていたという。『セックスライフ・オブ・カレッジガール』はシーズン3まで更新されたが、アーティストとしての活動に本腰を入れるために、レネーが演じるレイトンは登場が減らされるという。

 率直な物言いでも同世代からの共感を集めるレネーは、The Cutとのインタビューで次のように明かしている。「どんなことをしてでも、(音楽こそが)やりたいことだってずっとわかっていました。だから、他のことなんて後回しでいい!っていう感じです」。

画像: 音楽こそがずっとやりたいことだった

 レネーがブロードウェイへのデビューを果たした『ミーン・ガールズ』は、映画版にも出演した俳優のティナ・フェイがプロデューサーを務めているが、ティナも、レネーが最終的にはアーティストを志望しているということを承知の上で、レジーナ・ジョージ役に起用してくれたのだという。

 「私としては、『みなさんは『サタデー・ナイト・ライブ』にも出演されていますよね。この先の人生で私の音楽キャリアをサポートしていただけるなら、やりましょう』という感じでした。そして、彼女たちはそうしてくれたのです」とレネーはThe Cutに明かした。

ドリュー・バリモアを不審者から守った

 コメディ界の大物俳優であるティナ・フェイに条件を出すなど、大物相手にも物怖じしない、その肝の据わりようも人々を惹きつけるレネーだが、その落ち着きようは不審者を前にしても変わらない。2023年8月には、ドリュー・バリモアとともに登壇したイベントで、ドリューに近づいてきた乱入者からドリューを遠ざけるという場面も。

@vidsofceleb Scary moment, thankfully security took care of it. #drewbarrymore #reneerapp ♬ original sound - Edits

 男が乱入してきたのを見て、レネーは自ら立ち上がってドリューをステージ脇へと誘導。レネーの勇気ある行動には、オーディエンスからも大きな拍手が湧き上がり、ドリューも「あんなに私を守ってくれるなんて! ボディガードになってくれて、私のケビン・コスナーです!」と、映画『ボディガード』にかけてレネーに感謝の気持ちを伝えた。

『スノー・エンジェル』は「正直で、生々しくて、無防備」なアルバム

 率直な言動も魅力のレネーは、自分の感情を公にすることもいとわない。デビューアルバム『スノー・エンジェル』は、そんな彼女らしく「ものすごく正直で、生々しくて、無防備なもの」になっていると、レネーはレコーディング・アカデミーとのインタビューで話す。

 「メンタルヘルスや交際、セクシャリティといった、自分にとって大切なことについて話したいと思いました。そしてそれを、芸術的で美しい方法で取り組んで、私の歌声やソングライティングのスキルを示したいと思ったのです。このアルバムを誇りに思っていますし、みんなが共感してくれて、それぞれに語りかけるような何かを見つけてもらえたら嬉しいです」。

バイセクシャルであることを公表している

 自身のセクシャリティについて、バイセクシャルであることを公表しているレネー。デビューアルバム『スノー・エンジェル』からの印象的なシングル「Talk Too Much」は、自分がガールフレンドを殺害してしまうという、嫌な夢を見たことがインスピレーションになったという。

 「ガールフレンドを殺す夢を見てしまって、それで『Talk Too Much』を書いたんです」と、レネーは“話しすぎる”を意味するタイトルがつけられた「Talk Too Much」についてBustleに語っている。「『ねえ、そういえば、あなたに言っておきたくて、まだ付き合いたてなのはわかってるけど、あなたを無惨に殺害してしまう夢を見たんだ。言っておかなきゃいけない気がして。誠実っていうのが、一番のポリシーだから』っていう話を(ガールフレンドに)しました。今までで一番意味不明でしたね」。

現在はTikTokerと交際中と報じられている

 「公の交際は絶対にしないと誓っていたのに、心から愛せて、安心して穏やかだって感じさせてくれる人を見つけたんです。それで、その人とのことを投稿し始めたら、大ごとになってしまったっていう。今となっては、まあいいや、もう、誰かを自分のパートナーとして公で共同署名した自分の行動の結果に対処しないとっていう感じです」と、現在は交際中だと自身のステータスを2023年8月にPeopleに明かしたレネー。

 レネーが交際を噂されているのは、代名詞としてノンバイナリーの人たちが使用することの多い「they/them」を使用している、TikTokerのアリッサ・カリントン。2人は2023年1月に、レネーがアリッサと親密にしている動画をTikTokに投稿したことがきっかけで、交際説は浮上することになった。

アイコンはカーラ・デルヴィーニュ

 『スノー・エンジェル』から公開されたなかで、レネーのセクシャリティがはっきりと描写されているMVが、惹かれ合う女性同士を描いた文字通りの「Pretty Girls」。このビデオの監督を務めたのは、自身もパンセクシャル(全性愛者)であることを公表しているカーラ・デルヴィーニュ

 LGBTQ+コミュニティのレプリゼンテーション(表象)を体現してきたカーラは、自分にとってアイコンのような存在だとして、「彼女のことはずっと大好きで、本当に尊敬してきましたし、子どもの頃に夢中になった人でもあります」とレネーは米ELLEに話す。「ものすごくホットで、クィアだとオープンにしている人が世の中にいるというのは、幼少期の私にとって大きなことでした」。

画像: ©️Reneé Rapp/Instagram
©️Reneé Rapp/Instagram

 現在23歳であるそんなレネー自身も、自分たちの世代はよりオープンになることができていると分析する。彼女はThe Guardianに次のように話している。「私の世代や、その次の世代はよりオープンになっていますよね。特に女性や、男性ではない人、クィアの人たちは。私自身も、私以前の女性や男性、クィアの女性よりも多くの機会を与えてもらえていると思います。この世代の人たちはいまだにお互いに意地悪ではあります。でも、より主張するようになっていますし、気にかけないようになっているのです」。

 率直で誠実なキャラクターで、同世代を中心にオーディエンスを魅了しているレネー。まだ始まったばかりの彼女のアーティストとしてのこれからに注目したい。

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