マリリン・マンソンが2019年のコンサートでカメラマンに向かって鼻水や唾をかけた事件で、裁判所が判決を下した。(フロントロウ編集部)

判事が「実にひどい」と呼んだ事件

 米ロックバンドであるマリリン・マンソンのボーカルを務めるマリリン・マリソン。本名をブライアン・ワーナーとするマリリンは、2019年8月19日にニューハンプシャー州で行なわれたライブにてフォトグラファーを務めていた女性に唾を吐き鼻水をかけたとして裁判になっていたが、米時間9月18日、裁判所は20時間の社会奉仕活動と約1,400ドル(約20万円)の罰金をマリリンに命じた。

 マリリンは当初、暴行容疑について無罪を主張していたが、のちに「ノーコンテスト(不抗争の答弁)」へと変更。不抗争とは、公訴事実を認めるでも否定するでもなく「それについては争わない」とすること。

 警察の報告書によると、マリリンはコンサートでフォトグラファーを務めていた女性の持つカメラに顔を近づけ、「大きな唾液と痰の塊」を吐き、その後、再び女性のもとに戻ってくると、片方の鼻の穴に手を当て、もう片方の鼻の穴から「かなりの量の粘液」を女性に吹きかけたという。このマリリンの一連の行為を判事は「egregious(実にひどい)」と表現した。

 女性の撮影した映像には、マリリンが、伏せて立ち去る女性のことを指差し笑う姿も映っていたそうで、女性は法廷で読み上げられた声明文で、「彼が私に唾を吐きかけ、鼻水を吹きかけたことは、これまで他人にされたことの中で最も嫌なことでした」とコメントした。

 裁判所はマリリンに対して、罰金を払うこと、今後2年間はニューハンプシャー州でコンサートをする場合には警察に事前に報告すること、そして、2024年2月4日までに社会奉仕活動を完了した証拠を提出することを命じた。

 裁判所命令による社会奉仕活動には、地域でのゴミ拾い、シェルターやフードバンクでのボランティア、公立公園の運営の手伝い、環境保護運動の手伝い、ユースプログラムでのボランティアなど多様にあるが、マリリンは法廷の外で待っていた記者団に、「(依存症からの)リカバリーをしている人たち」と関われる活動に参加したいと答えたという。

 マリリンは近年、元恋人である俳優のエヴァン・レイチェル・ウッドをはじめ複数の女性たちから性的虐待などで告発され、レコード会社やエージェントから契約を打ち切られた。

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