1923年の女子小学生たちが想像した100年後の世界
今から100年前の1923年は、ロサンゼルスの山に「HOLLYWOODサイン」が作られたり、「ウォルト・ディズニー・カンパニー」や「ワーナー・ブラザース」が設立された年。ここ日本では関東大震災が発生した年でもある。
そんな100年前の新聞に掲載された、当時の小学生の女の子たちが語った「未来予想」が面白いとXで拡散された。
話題となったポストを投稿したのは、あたかも100年前に生きる記者のように活動している「1923 Live」というアカウント。投稿された古い新聞の切り抜きとみられる画像には、英ロンドンのウッドグリーン小学校に通っていた女子小学生たちが「100年後の世界についてのエッセイを書くよう頼まれた」と書かれてあり、彼女たちが予想した未来のいくつかが紹介されている。
「女性は半ズボンをはく」
「主婦はテニスをし、男性は家事をする」
「先生は冴えない子どもたちに囲まれなくて済む。なぜなら、すべての赤ちゃんがアルファベットを知っていて、30、もっと言えば100まで数をかぞえられるから」
「女性は可能な限りマスキュリン(男性性を持つよう)になる」
1920年代という時代は、女性がズボンをはくことがタブー視されており、テニス人気が急拡大していた。さらに、女性らしさ・男性らしさといった概念やジェンダーロールが今よりもずっと強かった時代。そんな時代の女の子たちは、社会で許容されていた役割を超えた女性像を未来として想像していた。
London schoolgirls are asked what the world will be like in 100 years, in 2023. They claim that:
— 1923 Live (@100YearsAgoLive) September 22, 2023
- women will play tennis while men stay home with the kids
- teachers won’t have to deal with dumb children; even toddlers will know the alphabet
- women will be much more masculine pic.twitter.com/YWWaXj5HK6
100年経った現在、女性は半ズボンをはくし、家事をする男性もいれば、女性性・男性性とされる要素はジェンダーではなく個人によって異なるものだという考えが広がってきている。100年前の女の子たちの未来予想はあながち間違ってはいなかったのだ。
一方で、100年経ってしても、完全にジェンダーごとの偏見や制約がなくなったわけではない。そこは社会としての反省点。今回の件からは、「社会は100年後にどうなっている?」という質問には、社会が必用としている変化が見えてくるという利点があることが分かる。自分に、まわりに、一度投げかけてみたら面白い発見があるかもしれない。