まるでスポーツカーのような雰囲気に包まれる「トナーレ」
モダンさと機能性を追求したアルファロメオのスタイリング。そこにイタリアンテイスト溢れるデザインが融合したトナーレは、マイルドハイブリッドモデルとPHEVでは、基本、デザインによる差別化はほぼなく、違いは2点。
PHEVモデルでは、アルファロメオのエンブレムである「ビショーネ」が、コンセントを模した「エレクトロビショーネ」となっており、エクステリアではチャージポート側のリアウィンドゥに配される。こういう遊び心のアクセントは、愛着の湧くポイントでもある。また、リヤエギゾーストのパイプフィニッシャーがあるのもPHEVモデルのみとなっている。
ボディカラーは5色。今回の試乗モデルのように、アルファといえば“赤”のイメージが強いが、マイルドハイブリッドではローンチエディションのみに採用されていたモントリオールグリーンがPHEVではカタログ色となった。色味が素敵で女性受けも良いという。一方、インテリアはブラック1色のみの設定。
見た目はSUVだが、ドライバーズシートに収まった瞬間から、まるでスポーツカーのような雰囲気に包まれる。そして、走り出してもその印象は変わらず、スポーツカーの中身はそのままに車高を高く上げたかと思うほど、キレッキレな走りだ。
その印象をまず強く印象づけるのは、ステアリング。操舵力が軽く、ちょっと切るだけでクルマの鼻先がキュッと向きを変える。そして、ステアリングホイールの奥にはアルミ製のパドルシフトが装備される。マテリアルといい、操作フィールといい、もう、気分はスポーツカー。
オートマティック車に乗ったら、Dレンジに入れっぱなしでわざわざギヤチェンジすることなんてないだろう。でも、このクルマに乗っていると、ワインディングなどではついつい自らシフト操作をしたくなる。それくらい、ドライビングが楽しく、クルマとの一体感が感じられる。
というのも、キレッキレのステアリングに、ボディの動きもキビキビと追従するから気持ち良いのだ。インテリアがドライバー中心としたデザインになっているが、まさにこのクルマはドライバーズカー。
ドライブモードも独特。通常は、コンフォートやスポーツといったモードになっているが、アルファロメオは「D(ダイナミック)」「N(ノーマル)」「A(オールウェザー)」表示。EVモードでは72Km走行可能だが、バッテリーが十分あればD/NモードでもEV走行する。そして、EV走行時はインパネ内に、グリーンのエレクトロビショーネが登場。またまた遊び心が刺さるー。
フロントをエンジンで、リヤをモーターで駆動し、俊敏で軽快な走りが特徴のトナーレ。でも、同乗者にとってももちろん快適性は確保されている。その辺りは大柳編集長にレポートに委ねる。
アルファロメオは電動化に関して、出遅れていたが、トナーレを皮切りに、一気に攻勢を掛ける。「(電動化)ゼロから(エミッション)ゼロへ。」
でも、電動化へと変革を遂げても、オシャレなデザインとドライビングプレジャーはしっかり継承されることを確信した。(モータージャーナリスト:佐藤久実)
とにかくオシャレな「トナーレ」を、大柳編集長もテストドライブ!
アルファロメオのSUV「トナーレ」の第一印象は、まずオシャレ! アルファロメオらしいイタリアン魂が感じられる洗練されたトナーレは、スタイリッシュならがもスポーティーな要素が加わって、かっこよく、そして高級感もあって美しい。
今回テストドライブさせていただいたボディカラーはレッド。個人的にはアルファロメオに乗るならば、やっぱり迷わずレッドを選びたい! なぜならばアルファロメオのレッドは一味違うから。深みがあるレッドは見る角度によって濃淡がはっきりと浮き上がり、うっとりするような美しい色に。
エクステリアデザインは、締まったボディに、曲線のフォルムが女性的で妖艶な雰囲気を感じるイタリアらしいセクシーなデザイン。カジュアルなスタイルにも、キレイめなスタイルにもマッチするボディデザインになっているのは、さすが洗練されたイタリアンデザイン。
インテリアもシンプルながら、高級感あふれる素材とこだわりの細かいステッチや仕上げ。モダンなデザインで、デジタルクラスメーターなどの先進的な技術もクールにまとまっている。
実際に運転してみると、まずはハイブリッドシステムの爽快なスタートから始まり、ハンドリング機能も鋭く、スポーツカーを運転するようなスリルさも感じられ、運転することが楽しいと感じる。
通常のハイブリッドモデルだと、静かすぎて運転が楽なのはいいけれど、運転する楽しみがそぎ落とされてしまうことが多いのが実状。しかしトナーレは、ブランドのDNAを受け継いだ、スポーティーな走りがポイント。
実用性を重視したSUVだからこそ、上品で洗練された高いデザイン性を誇るトナーレは、他にはない人目を惹くモデル。ルックスもよく、乗り心地も快適で運転していて気分があがるモデルでした。デザイン・機能性にこだわる女性にぜひオススメしたい!(フロントロウ:大柳葵理絵)
撮影:小林俊樹