クルーズ船に持ち込んだ「おやつ」が原因で、客が永久乗船禁止処分を受けたことが明らかになった。(フロントロウ編集部)

乗船の際の手荷物検査でバッグから“あるもの”が見つかる

 カーニバル・クルーズ・ラインの船で旅行に出かける予定だった女性が「グミ」を持ち込もうとして、永久乗船禁止処分を言い渡されたことがわかった。

 グミは定番のおやつだが、女性が持っていたのはただのグミではなかった。

 米The Washington Postによると、女性がマイアミ港のセキュリティチェックを通過しようとした際、スーツケースの中に入っていた爪切りがX線検査で検出され、職員に呼び止められたという。そして、職員がスーツケースを開けて中身を確認しているときに「CBDグミ」が見つかったため、女性は離れた場所に連れて行かれ、そこで警備員と警察官による尋問を受けた。結局、女性は船に乗ることを許されず、さらに後日、同社が運行するすべてのクルーズ船への乗船を禁止すると書かれた手紙が自宅に届いたそう。

 CBD(カンナビジオール)は、ヘンプ特有のカンナビノイドと呼ばれる栄養成分のひとつで、野菜や果物、植物などに含まれるファイトケミカルの一種。体の免疫システムやホルモンのバランスを調整する働きがあるとされており、欧米では、うつ病の防止や軽い痛みの緩和、ストレス、不眠(睡眠障害)の解消など自然療法に利用されている。女性は睡眠に問題を抱えており、旅行中にきちんと睡眠をとれるように持ち込んだとThe Washington Postに説明している。

 医療目的で使用される特定のCBD製品はアメリカ国内では合法の可能性があるが、クルーズ船が寄港する地域や国によっては違法の場合もあるので、カーニバル・クルーズ・ラインはCBD製品の持ち込みを禁止している。

 今回の件について、カーニバル・クルーズ・ラインの広報担当者は「休暇の計画がこのような結果になってしまったことに、このお客様とそのご家族が不満を持っていることは大変残念ですが、私たちはCBDが規制薬物として定義されている連邦法に従っています。ゲストがどこでCBD製品を購入し、船内でCBD製品をどのような目的で使用するのか確認するのは私たちの仕事ではありません。私たちの責任は、連邦政府のガイドラインに従い、禁止されている物品を船内に持ち込まないようにすることです」と声明を出している。

 ちなみに、カーニバル・クルーズ・ライン側は女性のクルーズ料金の返金には応じたが、女性の家族のクルーズ料金は自己都合でのキャンセルということで、返金に応じていない。女性とその弁護士は、家族のクルーズ料金の返金と永久乗船禁止処分の取り消しを求めるつもりだとThe Washington Postは伝えている。

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