カナダ・モントリオールの一部の区で採択された新しい条例に、一部の人が猛反発している。

衛生に問題がある人は排除&罰金?

 公共図書館を訪れる人々に関する新たな条例の下では、図書館のドアをふさぐこと、館内で寝ること、他人を脅すこと、トコジラミを持ち込むことが禁止に。また、ヴィル=マリー区、アンジュー区、シュッド=ウェスト区では、「職員やほかの利用者の迷惑になるような衛生状態」の人を図書館側が追い出したり、罰金を科したりすることを認める条文も盛り込まれた。

 この条例は2024年1月1日から施行され、初犯の場合は350カナダドル~1000カナダドル(約4万円~10万円)の罰金、2回目以降は2000カナダドル~最大で3000カナダドル(約22万円~約33万円)までの罰金が科せられる。

 ただ、この条例は、貧困等の理由からシャワーを頻繁に浴びることができない人や、その他の理由で周囲に“不衛生”と思われてしまいかねない状態の人を排除してしまう可能性がある。

 無料で新聞やインターネット、その他の情報源を提供している図書館が、それらを必要として人たちを排除することは、その人々の教育の機会や情報入手の機会を制限し、孤立や社会的不平等の増大につながる懸念がある。

 このような反発を受けて、モントリオール市長のヴァレリー・プランテ氏は「私たちは、図書館条例の新条項の文言を修正し、市内のすべての地域にインクルージョン(包摂)を求める私たちの願いを反映させます。モントリオールに差別は存在しません」とX(旧Twitter)に投稿。

 さらに、「モントリオールの図書館は、都市のすべての公共の場所と同様に、常にすべての人を受け入れ、安全で、歓迎的な場所でありたいと思います」と述べ、新制度について見直す考えを明らかにした。

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