マネスキンが2022年のサマーソニック以来となる来日公演を開催。最新作『ラッシュ!』を引っ下げたジャパンツアーの初日となった、12月2日に有明アリーナで行なわれた公演の模様をレポート。(フロントロウ編集部)

マネスキンの12月2日有明アリーナ公演の模様をレポート

 定刻を15分ほど過ぎた頃に客電が落ちて、ステージを覆っていたカーテンの内側に明かりが灯り、4人のメンバーの影が浮かび上がる。そのままカーテン越しに披露された「DON'T WANNA SLEEP」から、昨年のサマーソニック以来となるマネスキンの来日公演は幕を開けた。

 途中でカーテンが上がるまではメンバーの姿は見えない。けれど、姿は見えなくとも、生のパフォーマンスだけでも大歓声があがるところに、昨年の初来日以降、いかにマネスキンという存在や、彼らの楽曲が日本のファンの間に浸透したかが凝縮されているように感じる。

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 途中でカーテンがあがると、天井から吊るされたマイクを手に、ボーカルのダミアーノは1曲目からハンドクラップを煽り、イーサンによる力強いドラムのサウンドをバックに、ギターのトーマスとベースのヴィクトリアはステージ中央まで来て、向かい合って演奏する。メンバー同士の深い絆はマネスキンの魅力の1つだが、この日、ステージ前方にいるダミアーノとトーマス、ヴィクトリアの3人がほとんど全曲で入れ替わり立ち替わりステージの中央に立ってパフォーマンスしていたことが、お互いを心からリスペクトし合う彼らの姿勢と、マネスキンは4人全員が主役だということを示していた。

 間髪入れずに披露された「GOSSIP」に続く形で披露された、自然発生したシンガロングが音楽は“国境も言語も超える”という事実を証明していたイタリア語の楽曲「ZITTI E BUONI」のパフォーマンスのあとで、「ハーイ、東京。こんばんは」とダミアーノが日本語で挨拶。「ここは僕たちが世界で最もお気に入りの場所の1つなんだ」というMCの後で披露された最新シングル「HONEY (ARE U COMING?)」に、ここまででこの日一番の大歓声があがったことは、日本のファンとの相思相愛の関係と、マネスキンが現在進行形でいかに多くのアンセムを生み出しているかを証明していた。

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 「SUPERMODEL」でジャンプを煽り、続けて、トーマスのギターに乗せてダミアーノが歌い出し、次第にヴィクトリアとイーサンが迫力のある演奏を重ねていく形で「CORALINE」を披露。その次の曲となった「BEGGIN'」をパフォーマンスしている途中で、ダミアーノが上着を脱ぐと、昨年の来日時に脇腹に入れた登り龍のタトゥーがお目見えする。ダミアーノと観客が交互にサビを歌う形で披露された同曲のパフォーマンスは、終わった後もしばらく拍手が止まなかった。

 11月にリリースされたばかりのデラックスアルバム『ラッシュ!(アー・ユー・カミング?)』に言及した後で、同作に収録された新曲の1つである「THE DRIVER」のパフォーマンスへ。その後も、トーマスやヴィクトリアにスポットライトが当たった「For Your Love」、「Valentine」、ヴィクトリアとトーマスが後方のイーサンと合流する形で披露された「GASOLINE」と、同作からのパフォーマンスが続いた。

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 ここで、ダミアーノとトーマス、イーサンが会場後方のサブステージへ。イーサンがギターを持ち、自然発生的に観客たちが点灯させたスマホのライトに照らされながら、イーサンとトーマスの2人の演奏をバックにダミアーノが「TRASTEVERE」を歌唱した後で、「この瞬間にぴったりな曲」と、“時差”をテーマにした「TIMEZONE」をトーマスとダミアーノの2人で披露。

 「TIMEZONE」は、ダミアーノが大ファンと公言する、板垣巴留氏による大人気コミック『BEASTARS』とコラボレーションしたミュージックビデオも大きな注目を集めた、日本とは特に縁が深い1曲。そんな楽曲に乗せて、母国イタリアからは遠く離れた日本のファンとの心の距離の近さを祝福したあとで、再びメインステージへと戻っていった。

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 公演はここから怒涛のクライマックスへ。メインステージに残っていたヴィクトリアとイーサンによる大迫力のイントロから始まった「I WANNA BE YOUR SLAVE」、アイコニックな「マンマミーア」のセリフで知られる日本発のゲーム、『スーパーマリオ』シリーズへの言及の後で披露された「MAMMAMIA」では、ダミアーノがステージからフロアに降りてきて、観客たちと交流する場面も。

 「OFF MY FACE」、イタリア語の圧巻のラップが矢継ぎ早に投下された「IN NOME DEL PADRE」、ここでもダミアーノがステージから降りていく場面があった「BLA BLA BLA」と、キャッチーな楽曲のオンパレードが続いていったが、この日最大のハイライトとなったのは、客席からピックアップされた幸運な数十人の観客をステージにあげて披露した「KOOL KIDS」だろう。

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 もちろん、数十人のファンと共にパフォーマンスするというだけでも圧巻の光景なのだが、その光景をさらに感動的なものにしていたのは、そのメッセージ性。「ウィー・アー・クール・キッズ(俺たちはクール・キッズ)」というフレーズを数十人のファンたちと一緒に歌うパフォーマンスは、一人一人がクール・キッズだということを肯定し、祝福しているかのよう。最後は会場全体も巻き込んだ「ウィー・アー・クール・キッズ」の大合唱は、力強くも、会場中でありのままの自分たち自身を抱擁しているような、温かさも感じるものだった。

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 何にも縛られることなく、自由を謳歌する姿勢で共感を集めてきたマネスキン。「THE LONELIEST」、本編に続いてもう一度披露されたアンセム「I WANNA BE YOUR SLAVE」という2曲のアンコールで締め括られたサマソニ以来の来日公演で彼らが証明していたのは、4人が既にここ日本でも強固なコミュニティを築きつつあるという事実。イタリア語の楽曲にもシンガロングが起きていたことは、彼らがいかに強力な楽曲で日本のファンの心を掴んできたかを示していたし、そのコミュニティはここからさらに大きくなっていくに違いない。

 ステージの端から端まで移動しながら、四方のオーディエンスに向かって丁寧に深々と頭を下げていたダミアーノ。感情を噛み締めるように最後にステージ中央でお辞儀したダミアーノのエモーショナルな表情が印象的だった。

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【12月2日有明アリーナ公演セットリスト】
<メイン・ステージ>
1. DON'T WANNA SLEEP
2. GOSSIP (FEAT. TOM MORELLO)
3. ZITTI E BUONI
4. HONEY (ARE U COMING?)
5. SUPERMODEL
6. CORALINE
7. BEGGIN'
8. THE DRIVER
9. FOR YOUR LOVE
10. VALENTINE
11. GASOLINE

<アコースティック・セクション>
12. TRASTEVERE
13. TIMEZONE

<メイン・ステージ>
14. INTRO
15. I WANNA BE YOUR SLAVE
16. MAMMAMIA
17. OFF MY FACE
18. IN NOME DEL PADRE
19. BLA BLA BLA
20. KOOL KIDS

<アンコール>
21. THE LONELIEST
22. I WANNA BE YOUR SLAVE

【セットリスト・プレイリスト リンク先一覧】
https://ManeskinJP.lnk.to/20231202FT

【リリース情報】
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