脱プラが進む海外の食品パッケージ事情
近年とくに欧米で進んでいるのが、食品系のパッケージの脱プラスチック。
衛生的な観点や劣化を予防する観点から、食品系の多くはプラスチックのパッケージが採用されることが多かったけれど、環境に配慮して少しずつプラスチック以外の最新素材への代替えが進んでいる。
たとえばイギリスでは、93%紙でできた素材のボトルに入ったメントスが登場。そのほかにもヨーロッパのネスプレッソはマシン用の使い捨てコーヒーカプセルを、堆肥化も可能な木繊維由来の素材に代替えして話題を呼んだ。
そんななかイギリス発のアルコールブランドWorld of Zingから発売されたのが、紙由来のパッケージに入ったお酒。
World of Zingは、ジンやラム、テキーラ、ウォッカといった種類のお酒すべてで紙由来の素材を採用したパッケージに。見慣れたビンのような形のボトルでありながら、じつはプラスチックやガラスではない、ユニークなパッケージデザインをつくりあげた。
なぜ漏れない?その画期的な技術
液体であるお酒が入っているボトルとなると、気になるのが漏れ対策。染み込んだり漏れたりするのでは?と思うが、そこには画期的な技術の力が隠れている。
World of Zingのお酒のボトルに採用されているのは、英Frugalpac社が開発したFrugal Bottleというボトル。
Frugal Bottleは、最大94%がリサイクル可能な厚紙でできていて、水分に触れる部分はアルミのような素材でできたパック状になっている。そのため漏れや劣化の心配がなく、安心して飲むことが可能。さらに分別も簡単な設計となっている。
そんなFrugal Bottleなら、多くのお酒のボトルとして採用されているプラスチックの使用量を大幅に削減できるほか、同じサイズのビンにくらべて5倍も軽いため、輸送時のCO2の排出量も減らすことができる。
ちなみにFrugal Bottleを採用しているのはThe World of Zingだけでなく、海外では複数のお酒のブランドがここ最近この素材を採用。The World of Zingのようなスピリッツ系やカクテル系のお酒だけでなく、ワインの容器としてFrugal Bottleを採用しているブランドもある。
食品パッケージの脱プラ化が進む海外で話題を呼ぶ、画期的なお酒の容器。Frugal Bottleの公式サイトによると、日本を含む世界各国から問い合わせが相次いでいるようなので、今後日本でも同じ容器が採用されたお酒が発売されるかも。