環境配慮の視点で見るオリンピック
今週末いよいよ開幕するパリオリンピック。オリンピックを誘致したパリのイダルゴ市長は「環境に優しい大会にするか、そもそもパリでは開催しないか」の2択を宣言し、“史上最もサステナブルなオリンピック”の開催を目指してきた。
加えて「2012年のロンドン大会、2016年のリオ大会で発生した「カーボンフットプリントを半減する」と、物議を醸した宣言、大会に先立ってマテリアルフットプリント(大会開催に必要な資源)の総重量を評価し削減することを考えた。
これはオリンピック・パラリンピックの歴史上初めての試み。大胆かつ挑発的だ。とはいえ梅雨明けして茹だるような暑い毎日を過ごしていると、むしろ地球環境問題がスポーツの祭典の場を活用してまで改善しなくてはいけない状況にまできてしまったということか。
選手村ではエアコン無し・地下水利用の床下冷房使用、競技施設の95%は既存または仮設の建物でまかない、100%再生可能エネルギー使用、廃棄物ゼロ、給水のマイボトル化・市内競技会場へはペットボトルの持ち込みは原則禁止、マラソンではリサイクルカップの利用、大会中にパリを走行するバスはゼロエミッション車などなど徹底的。枚挙にいとまがない。
「SDGs」「サステナブル」「サーキュラーエコノミー」「カーボンフットプリント」etc. これらの環境配慮に関するワードをどこか別世界の話とみていた人にとっても、この夏のオリンピックを見れば意識が変わるのではないだろうか。スポーツを見るのとはまた違った視点でパリオリンピックはとても楽しみである。
TEAM JAPANが履くのは“未来のシューズ”
SDGsに関して、欧米に比べ日本が遅れをとっているのは周知の事実。だが、今回パリオリンピックに臨む「TEAM JAPAN」が着用するシューズはむしろ先鋭的だ。
この春にアシックスが発表した「ニンバス ミライ」は、“限りなくゴミをなくすことに成功したシューズ”と言って良いだろう。「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」というアシックスブランドの目標の第一歩となるシューズであり、今後のシューズ産業のスタンダードになる可能性を秘めたモデルだ。
他シューズとの決定的な違いは、シューズに使われている各材料を容易に分別・リサイクルできるようにしてあるところ。補強部分や紐の通し孔含め本体のパーツを単一素材にすると同時に、うち75%以上を再生ポリエステル素材を採用している。
パーツごとの分解作業を排除し、高い精度で再生可能にした。試験段階ではリサイクル工程へ投入したアッパーのうち、87.3%がPET原料として再利用できたとも。買い替え時期を迎えたときに新たなシューズに生まれ変わるよう特別な設計がなされている。
ちなみにニンバス ミライが排出するCO2の量は、一足あたりわずか6.1kg。人は1日1kg程度呼吸をしながら二酸化炭素を排出するので、1年間使用すると仮定すると相当少ないことがわかる。
サーキュラーエコノミーの推進
消耗品ともいわれるシューズは世界で年間約239億足が作られている。そのうちの95%以上が使用後に埋め立てられるか、焼却処分になるか。
その理由は、多数の素材を複雑な構造で製造することが大きく、リサイクルしにくかった。ニンバス ミライはその課題を解決したシューズ。このシューズを履いて世界の舞台で活躍する日本選手がいると思うと誇らしい。
ニンバス ミライを履き潰し、不要になったら、アシックスの回収プログラムを利用してリサイクルする。すると、ショッピング時に利用できる2,000円分ポイントがもらえる。デイリーに履くかランニングで履くかは置いといて、「物を買う」ことがポジティブに感じられる理想のサーキュラーエコノミーではないだろうか。回収方法は、特設サイトから確認を。 何よりパリオリンピックの「TEAM JAPAN」の足元に注目しよう!
NIMBUS MIRAI PARIS(ニンバス ミライ パリ):¥24,200
お問い合わせ先:アシックスジャパンカスタマーサポート部
TEL:0120-068-806
www.asics.com/jp/ja-jp