「世界で最もヤバい大統領」と呼ばれ、型破りな言動で世界を騒がせたドナルド・トランプ氏。その怪物ぶりはいかにして生まれたのか? 彼の知られざる一面を捉えた映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』から、若き日のトランプ氏と伝説の弁護士ロイ・コーンとのやり取りを収めた衝撃的な本編映像が解禁された。
映像は、まだ20代で成功を夢見る初々しいトランプ氏が、メディア対応に苦戦する様子から始まる。取材の電話を受けたトランプ氏は、記者の質問に対し「コモドアホテルを買収して、ニューヨークで一番のビルを建てるつもりだ。全米で一番だ」と意気揚々に語る。しかし、隣に控えるコーンはすかさず「この世界で、と言え」と耳打ち。慌てたトランプ氏は「世界一だ! 世界一の建物、最高のホテルにする」と訂正する。
さらに「野心的ですね。その原動力は?」という記者の質問には、「勘が良いし、頭の回転も…」と答えるトランプ氏。しかし、再びコーンから「控えめに言え」と指示が飛び、「謙虚さも忘れていない」と付け加えるも、後の祭り。業を煮やしたコーンは電話を奪い、「続きは直接話そう」と一方的に取材を打ち切る。電話を切ると、トランプ氏は小さく「すまない」と謝る姿が映し出される。
このやり取りからは、後の大統領らしからぬ頼りないトランプ氏と、メディア操作に長けたコーンの姿が鮮明に浮かび上がる。まるで操り人形のようにコーンの指示に従うトランプ氏は、まさに“怪物”誕生前夜といった印象だ。
本作でトランプ氏を演じるのはセバスチャン・スタン、コーン役はジェレミー・ストロング。二人の阿吽の呼吸とも言える演技は、この映像だけでも見応え十分。トランプ氏が怪物へと変貌を遂げる過程で、二人の演技がどう変化していくのか、期待は高まるばかりだ。
鬼才アリ・アッバシ監督がメガホンを取った本作は、トランプ氏本人が上映阻止に動いたことでも話題に。権力者の裏側を暴く衝撃作は、2025年1月17日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。