ロバート・エガース監督が長年の夢を叶えた“吸血鬼映画”がついに日本上陸。『ウィッチ』『ライトハウス』で独自のホラー世界を築き上げた彼が、幼少期から憧れ続けた伝説のサイレント映画『吸血鬼ノスフェラトゥ』を現代の映像美で甦らせる。その名も『ノスフェラトゥ』。
本作は、エガース監督にとって“悲願”ともいえる作品だ。1922年のムルナウ監督作に魅了され、高校時代には舞台脚本を執筆するほど熱を注いだ。ハリウッド進出後も幾度となく映画化を試み、ついに3度目の挑戦で完成させた。監督は撮影に徹底的にこだわり、キャンドルの明かりに適したレンズを用い、当時の建築を研究したセットを60以上組み、本物のネズミ2000匹を用いるなど、まるで100年前のホラー映画がそのまま蘇ったかのようなリアルな質感を作り上げた。
物語の中心となるのは、怪しげな伯爵・オルロックの城を訪れた不動産業者トーマス・ハッターと、彼の妻エレン。夫が不在の間、エレンは夜ごと夢の中に現れる“彼”の幻影に悩まされ、やがて街には不可解な災厄が広がっていく。恐怖と美しさが交錯するゴシック・ロマンスホラーが、じわじわと観る者を侵食していく。
主演のエレン役を務めるのは、ジョニー・デップの娘であるリリー=ローズ・デップ。オーディションではエガース監督を涙させるほどの圧倒的な演技を見せたという。そして、恐怖の象徴オルロック伯爵を演じるのは、『IT/イット』シリーズのペニーワイズ役で知られるビル・スカルスガルド。海外ではすでに「新たなホラー界の帝王」として称賛されている。そのほか、ニコラス・ホルト、アーロン・テイラー=ジョンソン、ウィレム・デフォーといった名優たちが物語に深みを与えている。
本作は、第97回アカデミー賞で撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の4部門にノミネートされ、映像美と没入感が世界中で高く評価されている。まるで現実そのもののような恐怖を、スクリーンで目撃せよ。
正体の見えない<彼>がじわじわと忍び寄る恐ろしさと、リアルを追求した美しさが織りなす至極の<ゴシック・ロマンスホラー>映画『ノスフェラトゥ』は5月16日(金)より公開!