神秘的な街ナポリの空気と海に包まれて、彼女は生まれた――。パオロ・ソレンティーノ監督が手がけた最新作『パルテノペナポリの宝石』が、ついに日本上陸する。カンヌ国際映画祭でも話題を呼び、イタリア国内では監督史上最大のヒットを記録。人生の美しさと残酷さ、そのすべてを詩のように映し出した新たな傑作だ。

主人公は「パルテノペ」と名付けられた、まるで神話から抜け出してきたかのような女性。その神秘的な美しさと知性は人々を魅了するが、同時に彼女の存在は愛する者たちの運命をも狂わせていく。特に兄ライモンドとの深い絆と、彼が選ぶことになる悲劇的な結末は、観る者の胸を強く締めつける。

主演を務めたのは、これがスクリーンデビューとなる新星セレステ・ダッラ・ポルタ。無垢なまなざしと圧倒的な存在感で、まさに“ナポリの宝石”と呼ぶにふさわしい輝きを放つ。そして、彼女と運命的に交差する孤独な作家役には、ゲイリー・オールドマン。ステファニア・サンドレッリら実力派俳優たちが脇を固め、ソレンティーノのビジョンを見事に具現化する。

製作はサンローランプロダクション、配給はA24。ファッションと映像、アートと物語が交差する、極上の映画体験がこの夏スクリーンに広がる。