悪役も相棒も演じた男が“いい人”に。ジョン・レグイザモが日本へメッセージ


『ロミオ+ジュリエット』の宿敵ティボルト、『ジョン・ウィック』シリーズの自動車修理工オーレリオ。100本以上の映画で強い顔を残してきたジョン・レグイザモが、映画『私たちは、ちょうどいい。』で演じたのは、どこにでもいる心優しいおじさんだった。9月11日の日本公開を前に、本人から日本の観客へビデオメッセージが届いた。(フロントロウ編集部)
SNSの人違いから始まる、疑似家族の話
主人公のリリー・トレヴィノは、住み込みで友人の介助をしながら暮らしている。幼い頃に母に捨てられ、父とも疎遠になった彼女は、ある時、父と連絡を取ろうとSNSで検索をかけた。そして、父だと思って友達申請を送る。
届いた相手は、父ではなかった。同姓同名の見知らぬ男性、ボブ・トレヴィノだった。

ボブは建設会社で働く男性で、妻ジニーと支え合って生きてきた。自分のことより先に相手を優先してしまう性格の彼は、偶然つながったリリーの孤独に気づき、そっと寄り添いはじめる。何気ないメッセージのやり取りが重なるうちに、ただの人違いだったはずの関係は、ふたりにとってかけがえのない居場所になっていく。
リリーを演じるのはバービー・フェレイラ、ボブを演じるのがジョン・レグイザモ。監督・脚本はトレイシー・レイモンで、原題は『BOB TREVINO LIKES IT』。世界各国の映画祭で観客賞を席巻し、米批評家サイトでは98%の高評価を得た。
変幻自在の男が、初めて“なんでもない人”になった
レグイザモはコロンビアの首都ボゴタに生まれ、4歳で米国に移住してニューヨークのクイーンズで育った。ニューヨーク大学で演技を学び、コメディアンとして活動したのち、「特捜刑事マイアミ・バイス」でドラマデビュー。『カジュアリティーズ』『ダイ・ハード2』で頭角を現した。
その後のフィルモグラフィーは、極端なほど幅が広い。バズ・ラーマン監督『ロミオ+ジュリエット』の危険な宿敵ティボルト、『ムーラン・ルージュ』、『アイス・エイジ』シリーズのシドの声、『ジョン・ウィック』シリーズで主人公を陰で支えるオーレリオ、『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』の陽気な相棒マーティン。クセの強い悪役から情に厚い相棒まで、100本以上の映画とテレビ作品で顔を変え続けてきた。

その男が、本作では何者でもない“普通のおじさん”を演じている。エキセントリックな役柄で強い印象を残してきた俳優が、傷ついた誰かにただ寄り添うだけの人物になった。その繊細さが評価され、全米の映画祭で観客賞を総なめにした。
今年10月には、長年の功績を称えられ、フォーシーズンズ・ロサンゼルスで開催される「第6回映画・テレビ祭典」で功労賞を受賞することも決まっている。さらに、同じ9月11日に公開されるクリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』では、盲目の豚使いエウマイオス役で存在感を放ち、オスカー有力という声もあがっている。キャリア40年目にして、いちばん忙しい時期を迎えている。
「ぜひ劇場に来てくれ。待ってるよ」
日本公開にあわせ、レグイザモ本人からビデオメッセージが届いた。
「元気かい?私は『私たちは、ちょうどいい。』でボブを演じているジョン・レグイザモ。日本で公開なんて本当に嬉しい」と切り出した彼は、監督のトレイシー・レイモンを「親切でスウィートで本当に才能ある監督だよ」と評し、現場の雰囲気の良さと共演者・スタッフをそろって称えた。
そして、「これは美しい疑似家族の話できっと気に入ってくれると思う。ぜひ劇場に来てくれ。待ってるよ」と締めくくっている。
レイモン監督の来日も決定した。公開初日の9月11日(金)はヒューマントラストシネマ有楽町の18時30分の回、翌12日(土)は新宿武蔵野館の10時の回で、いずれも上映後に舞台挨拶がおこなわれる。チケットは後日、各劇場のサイトで販売される予定だ。
『私たちは、ちょうどいい。』は9月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開される。















