来場者全員に紙の“パパ面”。GHOSTのライヴ・フィルムが9月も上映


映画館に、骸骨メイクの観客が集まってヘドバンする。GHOSTの最新ライヴ・フィルム『2 BIG TO RIG』の日本での上映は、そんな“儀式”になっている。9月10日と23日の上映では、来場者全員に紙製のマスク「パパ面」が配られる。(フロントロウ編集部)
4万人の熱狂を、16mmフィルムで撮った
『2 BIG TO RIG』は、2025年9月にメキシコのパラシオ・デ・ロス・デポルテスでおこなわれた公演を完全収録した作品だ。2夜連続でソールドアウト、計4万人を動員した舞台の、約2時間ぶんがそのまま入っている。
注目したいのは、この作品が最初から映画館で観られることを前提に、16mmフィルムで撮影されている点だ。家庭では再現できない大きさの映像と、静けさと爆音を行き来する音響。ライヴ映像を「記録」ではなく「体験」として設計している。
日本での上映は8月26日(水)の川崎、27日(木)の大阪から始まった。コーパス“パパ”のメイクと衣装で“パパ・Ⅴ・ペルペトゥア”や“ネイムレス・グールズ”になりきった観客が客席を埋め、ヘドバンとシンガロングで映画館がコンサート会場のようになったという。
客席が全員“パパ”になる、9月の上映
この上映は9月も続く。9月10日(木)は「東名阪 劇場巡礼_降臨の儀」として、T・ジョイPRINCE品川、ミッドランドスクエアシネマ、なんばパークスシネマの3館で開催。T・ジョイPRINCE品川は19時開映で、音楽評論家の伊藤政則が登壇する。
9月23日(水・祝)は「終幕典礼_昇天の儀」として全国21都市の劇場で上映され、新宿バルト9は16時30分開映。この回には、BLACK/DEATH METALの日本における先駆者のひとり、SIGHの川嶋未来が登壇することが決まった。SIGHは1990年に活動を開始し、フリージャズやクラシック、現代音楽、インド伝統音楽までを飲み込んだ独自の世界観で海外からも支持を集めるバンド。当日は音楽評論家の山﨑智之を迎え、GHOSTの世界観だけでなく、BLACK/DEATH METALの歴史的背景まで踏み込んで語る。
そして9月10日と23日はいずれも、入場者特典として“パパ・Ⅴ・ペルペトゥア”のマスクを模した紙製のお面「パパ面」が来場者全員に配られる。「神(紙)製」と表記されているあたりに、このバンドの悪ふざけの徹底ぶりが出ている。

チケットは全席指定で、前売券3,600円、劇場販売鑑賞券4,600円(いずれも税込)。9月10日はT・ジョイPRINCE品川で劇場限定グッズも販売され、メイン・ヴィジュアルを使ったTシャツとパーカーが新たに加わる。
日本での単独公演は、まだ一度もない
これだけ日本で儀式化しているにもかかわらず、GHOSTは日本で単独公演をおこなったことが一度もない。2014年にフェス出演で初来日し、2019年のフェス出演を最後に、約7年にわたって来日が実現していない。ライヴ・フィルムが「参列」と呼ばれ、コスプレした観客が映画館に集まる現象の背景には、その空白がある。
その間にバンドの規模は変わった。6作目のアルバム『SKELETÁ』はBillboard 200で初登場1位を記録。ハードロック作品としては4年ぶりの全米1位だった。ワールドツアー「SKELETOUR WORLD TOUR」は55万人以上を動員し、初の単独公演となったニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンも完売。米ニューヨーク・タイムズ紙は、駅から会場へ向かう道が骸骨メイクや法衣姿の観客で埋まっていたと伝え、客席に信仰にも似た一体感があったと評した。

ライヴ・フィルムからは『Umbra (Live in Mexico City)』の音源も先行公開されている。日本で彼らを生で観る機会がまだ訪れていないぶん、映画館の暗がりが当面のいちばん近い場所になっている。















