『ハリー・ポッター』のヴォルデモートといえば、蛇のように平たい「鼻のない顔」。なぜあの姿になったのか、原作で語られている理由と、映画でどうやって鼻を消したのか?メイクなのかCGなのか?制作の裏側を、まとめてわかりやすく解説。
『ハリー・ポッター』ヴォルデモートに鼻がない理由
いちばんの理由は、闇の魔法「分霊箱」だ。公式ファンサイトのWizarding Worldによると、ヴォルデモートは魂を引きさいて分霊箱を作るたびに人間らしさを失い、顔つきがどんどん蛇に近づいていったとされる。
若いころのトム・リドルは、端正な顔立ちの美青年として描かれている。それが人間をやめるような魔法をくり返した結果、鼻は蛇のような裂け目だけになり、白い異形の顔になった。つまり鼻のない顔は、彼が人間性と引きかえに不死を求めた証そのものだ。
ヴォルデモートが蛇のような姿になった理由については、ファンの間でいくつもの考察が語られている。代表的な4つを紹介する。
【考察1】分霊箱を作りすぎて人間性を失った
もっとも有力なのがこの説。前述のとおり、公式ファンサイトのWizarding Worldでも、魂を引きさくたびに容貌が蛇に近づいたとされている。鼻のない顔は、不死とひきかえに人間をやめた代償というわけだ。
【考察2】復活の儀式で作られた肉体だから
『炎のゴブレット』の復活の儀式では、父の骨、下僕の肉、宿敵ハリーの血を混ぜた秘薬から新しい肉体が作られた。ふつうの人間の体として生まれ直したわけではないため、顔も人間ばなれした姿になった、という説だ。
【考察3】蛇語(パーセルタング)の使い手だから
ヴォルデモートは蛇と話せるパーセルタングの使い手で、蛇を象徴とするスリザリンの血をひく。「蛇の末裔」としての本質が、そのまま見た目にあらわれたと考える説もある。
【考察4】ナギニとの深い絆
分霊箱のひとつでもある蛇のナギニとは、心が通じ合うほどの特別な関係。長く魂を分け合ううちに、存在そのものが蛇に寄っていったのではないか、という考察だ。
どの説をとっても、「蛇」がヴォルデモートの象徴であることは変わらない。
『ハリーポッター 賢者の石』では鼻があった?
じつは1作目『賢者の石』でクィレル先生の後頭部に現れたヴォルデモートには、ふつうに鼻がある。この時のヴォルデモートは別の俳優(リチャード・ブレマー)が演じており、蛇のような顔のデザインは、復活シーンのある『炎のゴブレット』から採用された。シリーズを見返すと、顔の変化からも「復活」の異様さが伝わってくる。
『ハリー・ポッター』どうやってヴォルデモートの鼻を消したのか
『炎のゴブレット』以降のヴォルデモートを演じたのはレイフ・ファインズ。撮影では鼻を切り落としたわけではなく(当然だが)、本人の鼻にマーカーをつけて撮影し、あとからCGで消して蛇の裂け目に置きかえるという方法がとられた。俳優の表情の演技をそのまま生かしながら、人間ではない顔を作る手法だ。
メイキング映像では、白塗りのメイク姿のファインズが素顔のまま演技する様子が確認できる。
メイクとCGの合わせ技だった
顔の白さや血管の浮き出た不気味さは特殊メイクで作り、鼻だけをCGで消す。このハイブリッドな手法のおかげで、ヴォルデモートはCGキャラクターではなく「そこにいる人間の怪物」として撮影できた。ファインズは目の演技だけで恐怖を伝える必要があり、この役づくりは「映画史に残るヴィラン」と称賛される演技の土台になっている。
ちなみにHBOのドラマ版『ハリー・ポッター』でも、新しいヴォルデモートをどう表現するかはファンの大きな関心事。キャストの続報が入り次第、あらためて紹介したい。
あの顔はやりすぎじゃない?に対する答え
鼻のない顔は子どもが泣くレベルの怖さだが、それこそが狙いでもある。「名前を言ってはいけない」ほど恐れられる存在は、ひと目で人間ではないとわかる必要があった。ヴォルデモートがなぜあそこまで人間を捨てたのかは、ヴォルデモートとは何者?の徹底解説でくわしく紹介している。あわせてヴォルデモートの杖の不気味な秘密も知ると、キャラクターの作り込みの深さが見えてくるはずだ。(フロントロウ編集部)

















