9月4日に日本公開を迎える『ヒンド・ラジャブの声』が、公開を記念したチャリティTシャツを発売する。売上の一部は、6歳で命を落としたヒンド・ラジャブさんの家族へ直接寄付される。(フロントロウ編集部)
胸に写真、背中に銃弾の数
第82回ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリを含む8冠に輝いた本作は、2024年1月29日にガザ地区で起きた出来事を、実際に残された通話の音声をもとに描いた作品だ。今回発売が決まったTシャツは、その題材そのものを身につける衣服に落とし込んでいる。
胸元には、花冠をつけて微笑むヒンドさんの写真が大きく配された。上には英語で「I REMEMBER(私は忘れない)」。写真のわきには、事件の日時が2024年1月29日、場所がガザ地区ガザ市テル・アル=ハワであることが小さく添えられ、彼女に何が起きたのかが英文で記されている。写真の下には「世界は彼女の声を聞いた。だが、彼女のもとへは届かなかった」という趣旨の一文が置かれた。

より直接的なのは背面だ。イスラエル軍によって、彼女が乗っていた車に撃ち込まれた355発の銃弾が、そのまま355個のアイコンとして格子状に並べられている。数を説明する言葉はなく、ただ「The 355 Bullets」とだけ記されている。一発ずつ数えられる形にしたことで、報道で何度も繰り返されてきた数字が、目で追える量として立ち上がってくる。

売上の一部は、家族へ直接
Tシャツはブラックとレッドの2色展開で、公開日の9月4日から一部の上映劇場に加えてオンラインでも販売される。売上の一部は、ヒンドさんの家族に直接寄付される。
この映画をめぐって、監督のカウテール・ベン・ハニアは一貫して、話の主導権を遺族に置いてきた。8月の来日時には、映画化を決めた経緯として、ヒンドさんの母親からの一言が制作を動かしたことを明かしている。イスラエル軍が2年半の沈黙のあとに発表を出した際も、監督は取材に応じないという返答で、議論の焦点をずらさない姿勢を示した。物販という形であっても、収益の行き先が遺族であることは、その延長線上にある。
『ヒンド・ラジャブの声』は9月4日より全国順次公開。上映時間は89分で、日本での配給はスターキャットアルバトロス・フィルムが手がける。
















