ドナルド・トランプ大統領を痛烈に批判してきたエミネムが、トランプ支持者として知られるロック歌手キッド・ロックの新作アルバムに参加し、一部のファンから批判の声が上がっている。アルバムの発売から数時間後、エミネムはSNSで短いメッセージを発表した。(フロントロウ編集部)
「どちらの側につくかの話じゃない」
このほどリリースされたキッド・ロックの新作『Halfway 2 Jesus』は、信仰をテーマにしたアルバム。エミネムは収録曲「Heal My Faith」にゲストとして参加している。
批判の声を受け、エミネムは「どちらの側につくかの話じゃない。ただ昔からの友人と音楽をつくることを選んだだけ。僕たちみんなのために祈っている」とSNSに投稿した。
ファンが戸惑うのも無理はない。エミネムは2024年の米大統領選で、地元デトロイトの集会にてカマラ・ハリスへの支持を表明し、楽曲でもトランプを批判してきた。2017年には、ラップでトランプを痛烈に批判したうえで、トランプ支持者ならファンをやめても構わないとまで言い切った過去がある。一方のキッド・ロックは、音楽業界でも有名なトランプ支持者の1人で、現地時間10月10日にもトランプの集会に登壇していた。
「政治で友情を壊すのはやめよう」
もっとも、2人はデトロイトにゆかりがあり、約40年来の友人同士。キッド・ロックは発売前のインタビューで「何年も前に『政治で友情を壊すのはやめよう』と話したんだ。そして実際に友情が壊れることはなかった。だから今回参加を頼んだとき、彼はすぐに理解してくれた」と語っている。
エミネムがラップするヴァースにも、その姿勢がはっきり表れている。「彼は俺の兄弟であって、政治的な敵じゃない」「誰に投票したか、どちらの立場に傾いているかに関係なく、リベラル派も福音派も同意できる」といったフレーズが並ぶ。
参加曲が変更される一幕も
この共演をめぐっては、アルバムの発売前にもひと騒動あった。当初、エミネムは別の収録曲「7 Sins」に参加すると発表されていたが、ネット上で反発が広がった。その後、キッド・ロックは10月14日にX(旧Twitter)で、「7 Sins」のゲストをリル・ウェインに変更したと発表。あわせて、エミネムとの共演曲は「Heal My Faith」になると明かした。
キッド・ロックによれば、「Heal My Faith」はもともとエミネムに参加を依頼していた楽曲で、「2曲も一緒にやる必要はないと話した。みんなに付き合っていると思われちゃうからね」と冗談交じりに説明している。
アルバムについて、キッド・ロックは「許しとセカンドチャンス」をテーマにした作品で、米国内の分断を少しでも和らげたいと語っている。一方、エミネムのファンの間では依然として賛否が分かれている。政治的な立場の違いを超えた友情として受け止められるのか、それとも反発が続くのか、今後の反応にも注目が集まりそうだ。



















