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ケンブリッジ研究者の「失敗したはずの実験」が大発見に 医薬品製造を変える可能性も

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ケンブリッジ研究者の「失敗したはずの実験」が大発見に 医薬品製造を変える可能性も
Visitors look at displays near the Cambridge University Press booth at the Beijing International Book Fair in Beijing, Wednesday, Aug. 23, 2017. Cambridge University Press agreed Monday to restore more than 300 politically sensitive articles that had been removed from the publisher's website in China at the behest of authorities. (AP Photo/Mark Schiefelbein)

2026年3月、英ケンブリッジ大学の研究チームが「うまくいかなかったはずの実験」から生まれた驚くべき発見を発表した。触媒なしで行なった対照実験が予想に反して反応を起こし、LEDランプだけで反応が起きてしまったのだ。(フロントロウ編集部)

「触媒を外したのに、なぜか反応が進み続けた」

 ケンブリッジ大学の研究チームは、医薬品に使う分子を合成するための新しい光触媒を開発・検証していた。その過程で、結果の正確さを確かめるため触媒を外した「比較のための実験」を実施した際、通常であれば反応は進まないはずが、触媒がないにもかかわらず反応が進み続けた。しかも触媒がある場合より良い結果が出ることさえあったという。

 「失敗したはずの実験で何かが起きている」と気づいた研究チームがさらに調べると、研究室にある一般的なLED照明の光だけで、有機化学において重要な炭素-炭素結合が生まれていることが判明した。このメカニズムは「アンチ・フリーデル・クラフツ反応」と名付けられた。

LEDランプ1本で、「より速く、より環境にやさしく」

 従来、複雑な医薬品分子を最終段階で修正するには、コストが高く毒性を持つ金属触媒が欠かせなかった。しかし今回発見されたこの手法は、手頃なLEDランプの光だけで同じ反応を起こせる。

 ScienceDailyなどによると、この発見は製薬分野における分子合成の工程を「より速く、より環境にやさしく」できる可能性を秘めているという。2026年3月に学術誌「Nature Synthesis」に掲載されたこの研究は、世界の製薬業界から大きな注目を集めている。触媒を外すという「ミス」がなければ、この発見は生まれなかったかもしれない。思わぬ失敗が、大きなブレイクスルーにつながった好例と言えそうだ。

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