あの映画で最も気の強いメンバー、ミラ。その歌声を担っていた韓国系アメリカ人シンガー・ソングライター、オードリー・ヌナが、8月7日に新曲「スーパーヒューマン」をリリースした。自分の名前で出す曲としては約2年ぶり。来週にはサマーソニックのステージにも立つ。(フロントロウ編集部)
リアーナやレディー・ガガを手がけた男と組んだ
「スーパーヒューマン」(superHuman)は、オードリー・ヌナが2024年のセカンド・アルバム『TRENCH』以来となる、ソロ名義でのシングルだ。プロデュースを手がけたのは、リアーナ、レディー・ガガ、ザ・ウィークエンドらの楽曲で知られるCirkut。仕上がったのは、揺るぎない自信をそのまま音にしたようなラップ・アンセムだという。
タイトルとは裏腹に、彼女がこの曲に込めたのは「超人になること」ではなかった。ユニバーサル ミュージックを通じて発表したコメントで、オードリー・ヌナはこう語っている。
「『スーパーヒューマン』は、私にとって新しい世界へとつながるポータルのような存在です。この曲を書いた頃は、人生がものすごいスピードで変化していて、これまで以上に多くの人から見られていることを実感していました」
そして続けた。「どんな変化の中でも人間らしさを忘れず、心を開き、水のようにしなやかに進んでいこう」と、自分にも聴き手にも伝えたかったのだと。「人間らしくあることこそが、私たちにとって本当の“スーパーパワー”だと思っています」。急激に注目度が上がった1年を経た人の言葉としては、ずいぶん静かなほうだ。

同曲は、ゲーム会社Riot Gamesとのパートナーシップにより、アジア太平洋地域の『VALORANT』最高峰の大会「2026 VALORANT Champions Tour(VCT)Pacific」の公式タイアップ楽曲にも決まった。彼女が『VALORANT』と組むのは、これで2度目になる。
「Golden」が連れてきた1年
オードリー・ヌナの名前が世界に広がったきっかけは、Netflixのアニメ映画『KPOP ガールズ!デーモン・ハンターズ』だった。劇中のガールズグループHUNTR/Xの歌声は3人の実在アーティストが担っており、Netflixの公式発表によれば、ルミをEJAE、ミラをオードリー・ヌナ、ゾーイをレイ・アミが歌っている。サウンドトラックは全世界で100億回以上のストリーミング再生を記録した。
なかでも挿入歌「Golden」の突き抜け方は、映画の枠に収まらなかった。2026年2月1日の第68回グラミー賞で最優秀ビジュアル・メディア楽曲賞を受賞。主要4部門のひとつである最優秀楽曲賞(Song of the Year)にもノミネートされ、こちらは逃したものの、3月のアカデミー賞では歌曲賞に輝いた。米E! Newsは、K-POPの楽曲がこの賞を獲るのは史上初だと報じた。声で参加しただけだったはずの歌手たちが、授賞式のステージで歌う側になったのだ。
もっとも、彼女自身のキャリアはそこから始まったわけではない。2021年のデビュー・アルバム『a liquid breakfast』で評価を得て、LollapaloozaやHead in the Cloudsといった大型フェスを回り、2024年の『TRENCH』でジャンルを越えた音楽性を固めた。2025年には初の全米ヘッドライン・ツアーを成功させ、活動をワールドツアーへ広げている。映画で見つけた人にとっては新人でも、10年近く積み上げてきた歌手だ。
8月14日と16日、日本のステージへ
その彼女が、新曲のリリース直後に日本へやってくる。8月14日のサマーソニック2026東京公演、そして8月16日の大阪公演への出演が決まっている。映画のサウンドトラックで彼女の声を覚えた人にとっては、ミラではなくオードリー・ヌナ本人の音楽と初めて向き合う機会になるかもしれない。
音楽以外の顔もある。教育支援や奨学金制度の設立といった社会貢献活動にも取り組んできた人物で、ビジュアル面のクリエイティブ・ディレクションも自ら手がける。「スーパーヒューマン」は各配信サービスで聴ける。
















