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骨だったウサギに肉がついていく。『スターヴ・エイカー 召喚』日本版予告

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BY FRONTROW Editorial Dept.
骨だったウサギに肉がついていく。『スターヴ・エイカー 召喚』日本版予告
画像提供:『スターヴ・エイカー 召喚』宣伝

息子を亡くした夫婦のもとに、一羽の野ウサギが現れる。マット・スミスとモーフィッド・クラークが主演する英国産フォーク・ホラー『スターヴ・エイカー 召喚』の日本版予告が解禁された。土から掘り出された時点では骨だったはずのものが、日を追うごとに姿を取り戻していく。(フロントロウ編集部)

予告は、息子を呼ぶ声から始まる

9月の日本公開が決まったと伝えられたのは7月のこと。配給・宣伝チームによると、このたび『スターヴ・エイカー 召喚』の日本版予告と場面写真15点が解禁された。

予告が最初に映すのは、喘息の発作で息ができなくなった幼い息子オーウェンに、母ジュリエットが必死に呼びかける姿だ。その声は届かず、夫婦は息子を失う。途方に暮れる2人を、どこからか一羽の愛らしいウサギが見つめている。

悲しみから抜け出せないジュリエットは、地元の女性フォード夫人に「悪魔を追い出せば、かなり楽になるわ」と告げられ、霊的な瞑想を通じた交信にのめり込んでいく。一方、考古学者の夫リチャードは一心不乱に土を掘り続ける。夫婦の会話は少しずつ消えていく。

2人を心配して<スターヴ・エイカー>を訪れたジュリエットの姉ハリーが、リチャードに「お宝は見つかった?」と尋ねる場面もある。「まだ探し中だ」と答える彼の仕事部屋には、どうやら何かが隠されている。ハリーが「普通じゃない」と慄く何かが、この家のなかで動いている——そして、男が叫ぶ「彼を迎えにきた」という一言。ジュリエットがようやく笑顔を見せた時、ウサギはすでに夫婦にとってかけがえのないものになっている。

『スターヴ・エイカー 召喚』フォード夫人と交信するジュリエット
画像提供:『スターヴ・エイカー 召喚』宣伝

監督が語る、「戻ってきた土地」の怖さ

舞台は英国ヨークシャー地方の人里離れた土地、<スターヴ・エイカー>。リチャードが掘り起こそうとしているのは、民間伝承にまつわる古いオークの木だ。そして彼はそこで、大きな野ウサギの骨格を掘り当てる。骨は、日を追うごとに肉をまとい、蘇っていく。

監督・脚本を務めたのは、イギリス映画界の気鋭ダニエル・ココタジロ。フォーク・ホラーというジャンルにとって英国の風景がなぜ欠かせないのかを、こう説明している。

「英国の風景は、このジャンルにとって本質的なものだと思います。そこには郷愁を呼び起こす力があるからです。私たちは、子どもじみた観念や迷信とともに、ある場所を二度と戻らないつもりで置き去りにする。けれども年を取り、故郷を恋しく思ったり、さまざまな事情から戻ることを考えたりする。『スターヴ・エイカー 召喚』は、そうした不安に働きかけています」

さらに監督は、「自分のルーツへ戻ったとき、そこで何が待っているのか。どんな記憶や迷信が、地中から再び浮かび上がってくるのか」と続け、リチャードのように現代的で合理的な方法で理解しようとすることはできるとしたうえで、「表面の下には、自分では制御できない何かが潜んでいるのではないかという実存的な恐怖は、常につきまとうのです」と語った。掘るという行為が物語の中心にある作品として、これ以上ないほど的確な言葉だ。

『スターヴ・エイカー 召喚』マット・スミスとモーフィッド・クラーク
画像提供:『スターヴ・エイカー 召喚』宣伝

解禁された場面写真15点は、英国らしい曇天とフォークロアの色彩で統一されている。絶叫で押すタイプのホラーではなく、悲嘆と迷信が静かに溶け合っていく手触りのほうが強い。

リチャードを演じるのは『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のマット・スミス、ジュリエットを演じるのは『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』『セイント・モード/狂信』のモーフィッド・クラーク。本作はBFIロンドン映画祭で、最高賞を競う公式コンペティション部門に選出されている。

映画『スターヴ・エイカー 召喚』は9月11日よりシネマート新宿ほかにて公開。

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