アイスランド出身のシンガーソングライター、レイヴェイ(Laufey)が、Interscope Records/Verve Recordsとの契約を発表した。インディペンデントのまま世界的な成功を収めてきた彼女が、ユニバーサル ミュージックの一員になる。(フロントロウ編集部)

インディペンデントで積み上げた実績
レイヴェイは、ジャズやクラシックをポップ・ミュージックに溶け込ませた作風で、若い世代にジャズの入口を開いてきたアーティスト。これまでの6年間は、インディペンデントのアーティストとして活動し、3枚のスタジオ・アルバムで全世界累計70億回以上のストリーミング再生を記録してきた。
グラミー賞では「最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム」を2度受賞。2023年に『Bewitched』、2025年に『A Matter of Time』で同じ部門を制している。SNSの総フォロワー数は2,500万人を超え、Spotify史上最大のジャズ・アルバム・デビュー記録も樹立した。
音楽以外の評価も幅広い。『TIME』誌の「2025 Women of the Year」に選ばれ、アイスランド大統領からは同国の勲章「The Order of the Falcon(ファルコン勲章)」を授与されてナイトの称号を受けた。初の児童書『Mei Mei The Bunny』は『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーになっている。
70公演のツアーを終えたばかり
今回の発表は、大規模ツアーを締めくくった直後のタイミングとなった。「A Matter of Time」ワールド・アリーナ・ツアーは全70公演におよび、先週土曜日のメキシコシティ公演で幕を閉じた。最終公演は1万7,000人を超える観客で埋まるソールドアウトだった。日本でも6月に東京ガーデンシアターで来日公演が行なわれている。
8月には、アートとカルチャーを祝う恒例企画「A Very Laufey Day(AVLD)」の第4回を開催。25カ国以上・75都市でレイヴェイ自身がイベントをキュレーションし、交響楽団やバレエ、オペラの公演から、美術館や書店、アイスクリームショップでの催しまでが各地で行なわれた。日本でも都内の書店やカフェが公式パートナーとして参加している。
このイベントでのブランド・コラボレーションとグッズ販売の収益は、すべて「The Laufey Foundation」に寄付されている。若いミュージシャンが音楽教育やその資源に触れやすくなる環境づくりを目指す財団だ。
Verveはエラ・フィッツジェラルドのために生まれたレーベル
契約先のひとつであるVerve Recordsは、1956年に興行主ノーマン・グランツが設立した名門レーベル。エラ・フィッツジェラルドにとって公正なレーベルの拠点を作ることが設立の目的だった。ビリー・ホリデイ、ルイ・アームストロング、ニーナ・シモンらが名を連ね、現在はジョン・バティステやダイアナ・クラールも所属している。
レイヴェイはバークリー音楽大学の出身で、幼少期からピアノとチェロを学んできた。クラシックの素養を持つ彼女は、ロサンゼルス・フィルハーモニックなど各地の交響楽団と共演を重ねてきた。ジャズとクラシックの両方に足場を置く彼女にとって、数々のジャズの巨匠を送り出してきたレーベルは自然な契約先といえるかもしれない。
レイヴェイは現在、新たな音楽の制作に取り組んでいるという。名門レーベルから届く最初の作品がどんな音になるのか、続報を待ちたい。

















