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『トップガン』の教官ヴァイパー、トム・スケリットが93歳で死去

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『トップガン』の教官ヴァイパー、トム・スケリットが93歳で死去
写真:Getty Images

 映画『トップガン』で教官ヴァイパーを演じた俳優のトム・スケリットが、現地時間10月21日に亡くなった。93歳だった。家族が明らかにしたもので、死因は自然死だったという。(フロントロウ編集部)

家族「ユーモアと好奇心にあふれた人でした」

 家族は米The Hollywood Reporterなどに寄せた声明で、「私たちは彼を失い、深い悲しみに暮れています。世界はトムを素晴らしい俳優として知っていましたが、私たちにとって彼は、ユーモアや好奇心、知恵、寛大さ、そして人生にもたらしてくれた愛にあふれた人でした」とコメント。想像力や創造性、物語を語ること、退役軍人や自然、そして人々が自分の声を見つけ、それを分かち合えるよう手助けすることを深く大切にしていたと振り返った。

 家族はさらに、友人や同僚、ファンから寄せられた愛情と支援に感謝するとともに、悲しみのなかにある家族のプライバシーへの配慮を求めた。

 遺族には、1998年に結婚した3人目の妻ジュリー・トカシキ、5人の子ども、5人の孫、2人のひ孫がいる。

マーヴェリックに「父の真実」を告げた教官

 1933年に米デトロイトで生まれたトムは、高校卒業後に空軍に入隊し、その後、大学で学びながら俳優の道へ進んだ。1986年の映画『トップガン』で演じたマイク・“ヴァイパー”・メトカーフ中佐は、軍での経験を生かした役だった。トム・クルーズ演じるマーヴェリックにとって父親のような存在で、彼の父親の死にまつわる真実を打ち明け、失意に陥っていたマーヴェリックが再び前を向くきっかけを与える重要な人物だ。

 出世作となったのは、1970年公開のロバート・アルトマン監督作『M★A★S★H マッシュ』。外科医デューク・フォレスト役を演じ、ドナルド・サザーランド、エリオット・グールドに次ぐ3番手にクレジットされた。のちに長寿ドラマとなったテレビ版には、トムが演じた役は登場していない。

 1979年の映画『エイリアン』では、宇宙船ノストロモ号のダラス船長を演じ、シガニー・ウィーバーを抑えてトップクレジットに名を連ねた。当初は特殊効果に予算の大半が費やされる作品だと考えて出演を断ったが、監督がリドリー・スコットだと知って考えを改めたという。撮影が終わる頃には作品の成功を確信し、出演料の代わりに作品の利益の0.5%を受け取りたいと申し出たものの、製作総指揮のロナルド・シャセットに笑われたというエピソードも残っている。

エミー賞に輝いた保安官役、晩年まで現役

 1992年に放送が始まったデヴィッド・E・ケリー制作のドラマ『ピケット・フェンス』では、奇妙な騒動が相次ぐ田舎町の保安官ジミー・ブロックを演じ、1993年にエミー賞ドラマ・シリーズ部門の主演男優賞を受賞した。

 そのほか、ロバート・レッドフォード監督の『リバー・ランズ・スルー・イット』(1992年)では主人公兄弟の父親である牧師を演じ、『マグノリアの花たち』(1989年)、『コンタクト』(1997年)、『デッドゾーン』(1983年)などでも印象的な脇役を務めた。ドラマ『チアーズ』には、カースティ・アレイ演じるレベッカが思いを寄せる上司エヴァン・ドレイク役で出演し、2012年の映画『テッド』には本人役でカメオ出演している。

 米IndieWireによると、俳優としてのキャリアは70年以上に及び、映像作品への出演は100本を超える。最後の出演作は、ワイアット・ラッセル主演の西部劇『Broke(原題)』(2025年)だった。2021年には、余命を宣告された元心臓外科医を演じた『East of the Mountains(原題)』で、映画では珍しく主演を務めている。

 俳優業以外では、シアトルで若手映画人を支援する映画学校の設立に携わったほか、退役軍人が文章を通じて自身の体験を共有し、PTSDや不安と向き合うことを支援する団体「Red Badge Project」を共同設立。また、『リバー・ランズ・スルー・イット』に触発され、河川の保全活動にも取り組んでいた。

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