400年以上前の難破船から発見された南京錠、CTスキャンで暗号解読!


イギリス・ウェールズの海岸で発見された、1583年に難破した船の積み荷とみられる真鍮製の南京錠。発見者が20年かけても解けなかったダイヤル錠の暗証番号を、博物館と大学の研究チームがCTスキャンを使って突き止めた。答えはアルファベット4文字の「ANCE」だった。(フロントロウ編集部)
嵐で沈んだ「宝の船」の積み荷
南京錠が積まれていたとみられるのは、スペインからの帰路で嵐に遭い、1583年12月28日にウェールズ南部のポート・タルボット近くの海岸で難破した「アン・フランシス号」。日本では本能寺の変が起きた翌年にあたる。積み荷は何百年もの間、砂の下に眠っていた。
発見したのは、近くの町マエステグに住む金属探知機愛好家のピーター・ヒューズ。1999年、休日に海岸を歩いていた際に1枚の硬貨を見つけたのが始まりで、その後も金貨や銀貨、日用品など数百点を発掘した。南京錠はスペインの銀貨や分銅のそばに埋まっていたという。
ピーターは南京錠を開けようと、ダイヤルを回して暗証番号の組み合わせを探し続けたものの、約20年間試しても開けることができなかった。2017年には収集品をウェールズ国立博物館(アムゲズファ・カムリ)に引き渡し、2026年7月からはスウォンジーの国立ウォーターフロント博物館で展示されている。
病院のCTスキャンと同じ原理で内部を「透視」
この難題に挑んだのは、カーディフ大学工学部の研究員、デヴィッド・ウィリアムズ博士。使用したのは、医療用CTスキャンと同じ原理で微細な構造を調べる「マイクロCT」と呼ばれる装置だ。南京錠を壊さずに内部の構造を3D画像で可視化し、刻み目と文字の配置を調べた。
1回目のスキャンで文字が確認できたことに研究チームは驚いたが、2回目はうまくいかず、方法を変えた3回目でようやく暗証番号を突き止めた。ウィリアムズ博士は英BBCに「本当に解けたことに驚きました」と語り、大学の発表でも「400年以上前の謎を解く機会なんて、めったにありません」とコメントしている。
南京錠には、それぞれ6文字が刻まれた4つのリングがあり、暗証番号の組み合わせは全部で1,296通り。両端には動かない文字も刻まれており、学芸員のアラステア・ウィリスは、盗難を企てる人物を惑わせるための仕掛けだったとみられると説明している。
何を守っていたのかは今も謎
この南京錠が何を守っていたのかは、今も明らかになっていない。近くで発見された銀貨や分銅、あるいは現存していない書類や織物などを収めた箱に使われていた可能性もあるという。
ピーターは「『ダ・ヴィンチ・コード』のような謎を、現代の技術で解くことができました」と喜び、「僕にとっては、聖櫃(アーク)を開けたような気分です」と語った。
暗証番号が解明された南京錠は、ほかの収集品とともにスウォンジーの博物館で見ることができる。


















