グラミー賞シンガーのエド・シーランの女性ファンが、1万円前後で販売されていたエドの公演チケットに18万円以上を請求され、「実家に引っ越して車も売らなきゃ…」と嘆いている。
英ロッチデール在住の21歳の女性は、すでに完売していたエドのマンチェスター公演のチケットを、チケット売買サイトのビアゴーゴー(Viagogo)で発見。
3枚合計で約6万円だと思いチケットを購入したところ、なんと、実際は1枚につき約4.5万円。さらにそこに約4万円の予約手数料、約3,000円の送料、約8,000円の税金が加算され、合計額は18万5,000円以上となった。しかもそれを知ったのは購入が完了したあと。
女性はツイッターでエドに向けて、「あなたの顔を見たかっただけなのに、詐欺られた。チケットに18万5,000円も払わされたの! 実家に引っ越して車も売らなきゃ」と悲痛な様子でコメントした。
止まらない被害報告
女性のツイートには同じような被害を受けた人からのコメントが集まっており、ある男性は4枚2.6万円だと思い購入したところ実際には1枚2.6万円で合計で約14万円請求された経験を告白している。
「きちんと確認しないのが悪い」という批判も多いが、被害にあった男性が保管していた購入画面の写真をフロントロウ編集部で確認してみたところ、「4枚で2.6万円」と勘違いしてもおかしくない記載になっていた。
さらに、「他の人も見ています」や「残り1枚」といったような購入をせかす文句が画面上にポップアップされることも、購入者が再確認を怠る原因につながっているよう。
エド・シーランも反応
転売サイトを巡る現状はイギリスで大きな問題になっており、政府に改善を求める運動も起きている。
ネット上では現在、「二次サイトにおけるコンサートチケットの高値での転売を止めよう」という署名活動が進んでおり、こちらは4万件近い署名が集まっている。イギリスでは10万件以上の署名が集まった嘆願書は政府が何かしらの回答をおこなう。
さらに今回のファンの一件が話題になっているエド・シーランも騒動にコメントしている。
エドはPress Associateに対して声明を出し、「我々は二次市場で起きている道義に反する商法には激しく反対しています」と語り、「問題視されているサイトの存在はこちらでも認識しており、とても危惧しています。高値のチケットや偽造チケットをつかませられないためにも、そのようなサイトとは関係を持たないようファンには強く勧めています」と、転売サイト問題への強い憤りを明らかにした。
そして最後に、二次サイトを使う場合は、通常の販売価格またはそれよりも安い値段でチケットを手に入れることができるサイト、トゥウィケッツ(Twickets)の使用を勧めた。
本来はファンのためのものであるはずのコンサートチケット。分速で売り切れてもそれがファンの手に入らず業者や個人の利益のために高値で販売されている事実は、アーティストとしても嬉しくない。