先週金曜日まで開催されていたニューヨーク・ファッションウィークのあるショーに来場していたドナルド・トランプ米大統領の次女ティファニー・トランプが、他の来場者から避けられ、ひとりポツンとしてしまうという事態が起こった。
最前列でぼっちになってしまったティファニー
トランプ大統領と、彼が1990年代に6年間だけ結婚していた2番目の妻で女優のマーラ・メープルズとの間に誕生したティファニーは現在23歳。
腹違いの姉のイヴァンカ・トランプのように、ファッション業界の仕事にも興味を示しているという彼女は、この日、有名セレブが多数集結したドイツ人デザイナー、Philipp Plein(フィリップ・プレイン)のショーのフロントロウ(最前列の席)に登場した。
しかし、トランプ氏の大統領就任や就任後のやり方に反感を持つ人が多いファッション業界では、ティファニーは、いわば厄介者のような存在。
本来ならば、ランウェイを目の前で見られる最前列は誰もが喉から手が出るほどゲットしたいたい特等席のはずだが、もともとティファニーの隣の席を与えられていたファッション誌の編集者たちはそそくさと別の席へと移動し、その後、ショーの関係者に促されてデザイナーの親族たちがその席に座るまで、誰も彼女の隣に座りたがらなかった。
ティファニーに救いの手を差し伸べた大物女優とは?
このことがニュースになると、世間ではさまざまな議論が勃発。「トランプ氏の娘であるティファニーがこのような扱いを受けるのは当然だ、仕方ない」という人もいれば、「政治をファッションの場に持ち込むべきではない」と主張する人もいた。
そんななか、ある大物女優が自身が出演するトーク番組でティファニーを擁護。その人物とは、映画『天使にラブ・ソングを…』などのヒット作で知られるウーピー・ゴールドバーグ。
さっぱりとした性格で正義感が強い彼女は、番組を通じてティファニーに対してこうメッセージを送った。
「ティファニー、私もこのあといくつかのファッションショーに招待されているから、もしそこにあなたが居たら隣に座ることにするわね。」
さらに、ウーピーは、この日ティファニーを除け者にしたファッション関係者たちや、彼らの行動に賛成する世間の人々に向け、ティファニーの姉イヴァンカのブランドに対し不買運動が起きていることにも触れながらこう忠告。
「ファッションショーは政治を語る場所じゃなくて、ファッションを観に行くところよ!彼女だって父親の話なんかしたくないはず。今回のことは、イヴァンカのブランドをボイコットしようっていうのとは訳が違うわ。イヴァンカの場合は、商品を買うことによって金銭的な流れが生まれる。でも、ティファニーは、ファッションショーを観に行っているだけであって、それ以外には何もないわ」。
いくら父親が嫌われ者だからとは言え、ティファニーが受けた仕打ちは「いじめ」に近いとしながら、1人の女性として彼女を擁護するコメントをしたウーピー。
ちなみに彼女は、昨年の大統領選中からトランプ氏の対立候補だったヒラリー・クリントン氏へのサポートを表明しており、先月行われた反トランプ・デモの「女性のマーチ」では演説まで行っていた。
ウーピーからのメッセージにティファニーが反応
ウーピーのコメントを聞いたティファニーは自身のツイッターを通じて、「ありがとう、ウーピー。私もあなたと一緒に座りたいわ」と彼女にお礼のメッセージを送っていた。
ウーピーのメッセージが響いたのか、その後行われた別のファッションショーでは、周囲に座るファッション関係者たちと仲良さそうに談笑するティファニーの姿が。
強引な手腕ゆえ、敵が多いトランプ大統領だけれど、今回のような形で何の罪もない彼の家族が被害を被ってしまうのは、さすがに少々行き過ぎな感もある。