テイラー・スウィフトが暴力を賛美する内容のツイートを投下した米トランプ大統領に直接メッセージを送り、「宣戦布告」した。(フロントロウ編集部)

トランプ大統領の「暴力賛美ツイート」が物議

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、ミネソタ州ミネアポリスで白人の警察官に首元を押さえつけられた黒人男性ジョージ・フロイド氏が死亡した事件で、人種差別に抗議し、警官たちに厳重な処罰を求める住民によるデモが激化していることを受けて、5月29日、「これらの悪党はジョージ・フロイドの名誉を傷つけている。ティム・ワルツ州知事とさっき話をしたが、軍は最後まで一緒にいると伝えた。どんな困難でも我々はコントロールする。略奪が始まれば、銃撃を始める」とツイートした。

画像: トランプ大統領の「暴力賛美ツイート」が物議

 反人種差別主義者であるデモの参加者たちを、「悪党」呼ばわりし、軍による暴力を容認もしくは賛美する内容のこのメッセージには、世間から多くの反発が寄せられたほか、ツイッター社は、このトランプ大統領の投稿には、暴力を称える内容が含まれているとして、自社ルールにのっとり、自動的に表示されないようにする措置を講じた。


テイラー・スウィフトがトランプ大統領に直接メッセージ

 フロイド氏の殺害に関しては、事件に衝撃を受け、人種差別根絶を訴える数えきれないほどのセレブたちもSNSなどを通じて抗議したが、問題のトランプ大統領のツイートにも多くのセレブたちが疑問や不快感を露わにしている。

 なかでも、シンガーのテイラー・スウィフトは、トランプ大統領を名指しにしてツイートし、直接抗議。

画像: テイラー・スウィフトがトランプ大統領に直接メッセージ

 こんなメッセージで暴力賛美を厳しく非難するとともに、11月に行なわれる大統領選挙では、必ずトランプ大統領を落選させてみせると“宣戦布告”した。

「任期を通して白人至上主義や人種差別の火を煽っておいて、あなたには、脅迫的暴力に対して道徳的に優れているフリをする神経があるの? 『略奪が始まれば、銃撃が始まる』ですって? 私たちは11月にあなたを投票で辞職させる」

 トランプ大統領のアカウントに宛ててつぶやかれたテイラーのメッセージには、記事執筆時点で940万件を超える「いいね」がつくほど支持されるとともに、270万件を超えるコメントが寄せられている。

 トランプ大統領は、2018年に行なわれた中間選挙前に、それまで政治的発言を避けていたテイラーが自身を擁する共和党ではなく、民主党の候補者への支持表明した際、「テイラー・スウィフトの曲を25%嫌いになったとでも言っておこう」と発言して注目を浴びた。今回のテイラーからのメッセージには現時点では反応を見せていない。


警察官の1人が逮捕、デモは収束せず

 ミネアポリス当局は、現地時間の5月29日、フロイド氏を死に至らしめ、その後、懲戒解雇となっていた元警察官のうちの1人であるデレク・ショービン容疑者を逮捕。第3級殺人などの罪で訴追した。さらにフロイド氏の死に関与したとされる3人の警察官も訴追されるとの見通しを示している。

 同市では、抗議活動の取材をしていたCNNの記者ら3人が生中継中に警察に逮捕されるという一幕もあった。

 その後、記者らは釈放されているが、抗議デモはアリゾナ州フェニックスやテネシー州メンフィス、コロラド州デンバーなど全米各地にも拡大しており、ニューヨークではデモ参加者数十人が身柄を拘束された。

 また、映画『ジャンゴ 繋がれざる者』などで知られる俳優のジェイミー・フォックスは、ミネアポリスに出向き、デモに参加した。

(フロントロウ編集部)

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