本年度のアカデミー賞ノミネート作の中でも大本命との呼び名も高い、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。実はこの作品、過去の名作映画に影響を受けたシーンがたくさん登場していることでも話題となっている。
デイミアン・チャゼル監督も、来日した際の記者会見で、「この作品は、いろんな映画の思い出の中から作っていたから、無意識のうちに多くのオマージュが入っているかもしれない」とコメントし、さまざまな映画からの影響を受けていることを告白。
では、いったいどんな映画のシーンがちりばめられているのか?「もしかして、この映画に影響を受けているのでは?」と話題になっている作品をご紹介します。
オマージュをささげた映画をチェック
『ロシュフォールの恋人たち』(1966年)
カトリーヌ・ドヌーブが出演するフランスのミュージカル映画。劇中に使われたジャズ「キャラバンの到着」が有名。渋滞で人々が踊りだすシーンは、この作品へのオマージュという説が。
『雨に唄えば』(1952年)
ジーン・ケリー、デビー・レイノルズ出演のミュージカルの名作。ジーンが電灯に片手をかけ、雨に向かって楽しそうに歌う場面が有名だけれど、『ラ・ラ・ランド』でも、ライアン・ゴズリング演じるセブが電灯を片手で掴んで、ぐるっと回るシーンが登場する。『雨に唄えば』は、そのほかにも画面いっぱいにネオンサインが登場する場面や、カラフルなダンサーと一緒に踊るシーンなどもオマージュ元だと言われている。
『ウェスト・サイド物語』(1961年)
集団で踊るミュージカルの元祖的作品といえばこれ。夕暮れをバックにライアンが歌うシーンの元になっているのも、この作品だと考えられている。
『スイート・チャリティー』(1968年)
エマ・ストーン演じる主人公のミアを含む4人の友人たちが、カラフルなドレスを身にまとい、スカートをひらひらさせながら踊るシーンはこちらから。
『踊らん哉』(1937年)
セブとミアが夕暮れをバックに、ベンチに座ってタップダンスを披露するシーンは、『踊らん哉』に出てくるシーンにそっくり。
『バンド・ワゴン』(1953年)
同じく、夕暮れの街並みを見下ろしながら、ライアンとエマが手を広げて踊る場面はこの映画から。『バンド・ワゴン』では、ニューヨークのセントラル・パークが舞台だった。
『踊るニュウ・ヨーク』(1940年)
劇中曲「ビギン・ザ・ビギン」は、ジャズのスタンダードナンバー。きらびやかな光をバックに踊るタップダンスが見どころで、『ラ・ラ・ランド』にも似た背景をバックに踊るシーンが登場する。
『ムーランルージュ』(2001年)
セブとミアのロマンティックなプラネタリウムでのシーンは、『ムーラン・ルージュ』でユアン・マクレガーとニコール・キッドマンが雲の上で舞い踊るシーンを彷彿とさせる。
そんな、『ラ・ラ・ランド』と、オマージュ元の映画のシーンを比較した動画がこちら。