例年、高額のジュエリーが目をひくアカデミー賞。ただ今年レッドカーペットの主役を務めたのは、ダイヤモンドよりも、社会的なメッセージを秘めたアクセサリーだった。
ACLUのブルーリボン
男女問わずもっとも多くのセレブに人気だったアクセサリーが、青色のリボン。
作品賞を受賞した映画『ムーンライト』のバリー・ジェンキンズ監督、映画『ラビング 愛という名前のふたり』で主演女優賞に初ノミネートされたルース・ネッガ、『モアナと伝説の海』で歌曲賞にノミネートされたリン=マヌエル・ミランダが、ドレスやジャケットにブルーリボンをつけて登場。
ほかにも、ゲストとして参加した元ヴィクシーモデルのカーリー・クロス、ミュージシャンのスティング、ドラマ『クーガータウン』のビジー・フィリップスも青色のリボンのアクセサリーレッドカーペットルックに取り入れた。
じつはこのブルーリボン、アメリカ自由人権協会(ACLU)への支持を表明するアイテム。
人権問題を扱うNGO団体のACLUはトランプ大統領のイスラム圏7ヵ国に対する入国禁止令を批判しており、セレブたちはブルーリボンを身に着けることで、このACLUへの支持を表明した。
フェミニストたちの「PP」ロゴ
さらに、映画『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を受賞したエマ・ストーンと『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で知られるダコタ・ジョンソンは、「PP」というアルファベットが並んだピンバッジを着用。
こちらは人工妊娠中絶から避妊薬の処方や乳がん検査まで、多くの医療サービスを提供しているNGO団体プランド・ペアレントフッド(Planned Parenthood)のロゴバッジ。
人工妊娠中絶はアメリカ世論を二分にする問題で、プランド・ぺアレントフッドはたびたび反対派の間でやり玉に挙がっている。
そんな状況のなか、反対派であるトランプ政権が誕生してからセレブの間でプランド・ペアレントフッドを公式に支持する行動が増えており、アカデミー賞ではエマとダコタが支持を表明する形となった。
トランプ政権のもとアカデミー賞ではどんな政治的なメッセージがセレブから発せられるかに注目が集まっていたが、そこは、レッドカーペットファッションも大きく取り上げられるオスカー。セレブたちは社会的な意味を持つアクセサリーを身に着けるという形で、世間にメッセージを送った。