その女性とは、大人気ファッション通販 「ナスティ・ギャル(Nasty Gal)」の創設者で現在32歳のソフィア・アモルーソ。彼女の波乱万丈な人生を特集する。
アメリカ版ビリギャルと呼ばれる理由
ソフィアが経営する「ナスティ・ギャル」は2006年に創設し、たった8年で年商100億円へと成長した大企業。ヴィンテージ商品を中心に販売し、トレンドアイテムをプチプラ価格でゲットできることが魅力だ。
セレブの着用率も高く、同ブランドは急成長し、創設者のソフィアは2016年に推定資産280億円でビヨンセやテイラー・スウィフトを抜いてForbes誌の「一代でもっとも財を築いた女性」1位に選ばれた。
けれどじつはソフィア、ナスティ・ギャルを立ち上げる前まで、万引きやゴミあさりをしていた不良少女だったのだ。
不良少女時代
10代のソフィアは将来のあてもないままアルバイトをする不良少女。お金もない、学歴もない彼女は万引きを繰り返し、寝泊りは友達の家を転々とする生活を送っていた。
そんなソフィアだけれど、大好きなファッションだけは抜群の目利きセンスがあり、古着屋に行っては何時間も掘り出し物のアイテムを探していた。
ナスティ・ギャル成功
ソフィアが「ナスティ・ギャル(Nasty Gal)」を始めるきっかけになったのはネット・オークション。初めてオークションに出品したものは盗んだ本だった。その後ネットオークションサイト「eBay」で古着販売を開始したことで、彼女の人生が変わる。
「eBay」での古着販売は大反響を受け、それを機に自身のサイト「ナスティ・ギャル」を開設して、ビジネスとして大成功。今や年商100億円を稼ぐ企業へと成長した。
今まで社会に反発していた彼女が、自分のやりたい目標に向かって努力したのはやはり、大好きなファッションだった。
自叙伝「#GIRLBOSS(ガールボス)」
そんなソフィアのシンデレラストーリーと経営者としての思いをつづった自叙伝「#GIRLBOSS(ガールボス)万引きやゴミあさりをしていたギャルがたった8年で100億円企業を作り上げた話」が発売。
不良少女だった彼女がどのようにして、大企業のトップという成功をつかみ取ったのか、その波乱万丈な人生を2015年に出版した自叙伝「#GIRLBOSS( #GIRLBOSS 万引きやゴミあさりをしていたギャルがたった8年で100億円企業を作り上げた話)」に赤裸々に描かれている。
そのユニークなタイトルから、「#GIRLBOSS」というハッシュタグはSNSに250万件以上も投稿され、女優のロージー・ホワイト・ハンティントンも絶賛するベストセラーとなった。
この自叙伝が大ヒットした理由の一つは、何といってもソフィアの自叙伝でありながら、誰にでも当てはまる内容であるということ。
「ガールボス(※少女の心を持ちつつ、頼れる強い存在のこと)」というタイトルのように、一個人の物語ではなく、一生懸命夢を追いかけるすべての人たちへ向けた応援歌のような作品となっている。
Netflixでシリーズ化決定
このシンデレラ・ストーリーともいえるソフィアの物語「#GIRLBOSS(ガールボス)」は2017年、ネットフリックスでシリーズ化が決定。 ソフィア自身もエグゼクティヴ・プロデューサーとして参加し、さらには女優シャーリーズ・セロンもプロデューサーとして参加。
主人公のソフィア役は、映画『トゥモローランド』の主演女優ブリット・ロバートソンに決まった。そして脚本を務めるのは、映画『ピッチ・パーフェクト2』のケイ・キャノン。監督は映画『あと1センチの恋』のクリスティアン・ディッターが担当し、コメディタッチで描かれる。
絶好調かと思いきや…
自叙伝「#GIRLBOSS(ガールボス)」の大ヒット&シリーズ化、さらには2016年10月には第2作目となるフォトエッセイ「NASTY GALAXY(ナスティ・ギャラクシー)」を出版。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの中、衝撃の出来事が発生。
第2作目の書籍を発売して間もない11月に、「ナスティ・ギャル」は経営再建のために破たん申請の手続きをしていたことが発覚。今年でちょうど創設10年となる「ナスティ・ギャル」に訪れたまさかの悲劇。
ソフィア は一気に頂点へと駆けあがり経済誌にも取り上げられるほどの成功者になるも、それもつかの間、突如として危機に直面してしまった。 これを受けて、英ファッションブランドのBooHooが約22億円(2,000万ドル)でナスティ・ギャルを買収。経営権を失った創設者のソフィアは、ナスティ・ギャルを手放すことになった。
30代にしてすでに不良少女→資産280億→破産と、波乱万丈な人生を送っているソフィア。不良少女から成り上がった彼女は、その不屈の精神で再び「ガールボス(GIRLBOSS)」というブランドを立ち上げる。
現在はビジネスウーマンを中心に、ミレニアル世代の女性の活躍を応援するプラットフォームを設置し、ポッドキャストやデモ運動などを通して、さらなる女性の活躍を応援している。(フロントロウ編集部)