「デート中に自分の外見にばかり気を取られないこと」。ユタ州の高校が生徒たちに与えた宿題が差別的だとして、教育委員会が対応に追われている。

性差別反対 ユタ州高校で女性蔑視な宿題

学校の宿題が差別的

 今週、ユタ州ハイランド高校に通う生徒の母親が、娘に与えられた課題の内容をフェイスブックに投稿。「わたしの高校2年生(の娘)に与えられた宿題:『デートに行こう!』男の子と。彼の提案にしたがって、彼のクセに文句を言わず、彼のお金を無駄にしないで、尊敬を持った態度で彼に接しよう。娘を教育してくれているユタ教育省にありがとうと言いたい。根拠に基づいた女性蔑視的な考え方にはとても感謝しているわ」と、教育機関を批判した。 

 この課題は5ドル(約550円)の予算でデートをして後日レポートに書くというもので、手渡されたプリントには女子・男子別に「理想の振る舞い方」のヒントが書かれている。そしてそのヒントが、驚愕の内容なのだ。

 

「女性らしくいること」

 女子の方には、「デート中に自分の外見にばかり気を取られないこと」「フェミニンで女性らしくいること」「誉め言葉を求めないこと」「彼の羽振りの良さ悪さに強い関心を持たないこと」などと、女性に対する固定観念のかたまりのオンパレード。 

 一方男子の方には、「口を開けたまま食べないこと」「彼女が食べるものを決めやすいように先に食べ物を注文すること」「お金にまつわるグチをこぼさないこと」「キスをする権利があると勝手に思わないこと」などと書かれている。 

 生徒たちに一方的な男女の「悪いところ」や「理想の行動」を求めているだけでなく、異性を性の対象と見ていない生徒も除外しているこの課題。じつはなんと州認定のデータベースから配布されたものだそうで、今回はユタ州で必須科目となっている金銭能力を高める授業の一環として使用された。

 この事実に対しユタ州教育委員会は課題をデータベースから取り下げることを決め、広報を通して、「これは不適切な内容であるため取り下げます」と地元紙ザ・ソルト・レイク・トリビューンに答えた。

 しかし取り下げただけでは、データベースに不適切な教材が残っていることや、教育者が教材の問題点に気づかず生徒に配布してしまうことの抜本的な解決にならない。ネット上では「うちの子も同じような宿題を渡された」という声も上がっており、今回の件は氷山の一角のようだ。

たくさんのカラフルな腕 多様性

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