事の発端は今年の2月。カルフォルニアの大学に通うダイン・スーは、降りしきる雪のなか1ヵ月前に宿泊施設を貸し出す人向けのサイトAirbnbを通して予約した施設へ向かっていた。
予約した時よりも2人友人が増えたため、ホストにアプリを使って聞くと、「お金を払えばかまわない」と言われたため、安心して移動していた。
その後もう一度ダインは、お金はいくら払うのかとの確認メールを送ると、相手は「こんな忙しい週末に4人の人間と2匹の犬が泊まれると思ってるなんて、頭おかしいんじゃないの」との返信が。さらに「もう終わり。この詐欺師が」と言って、勝手に予約をキャンセル。
続けて、「あなたが地球上での最後の人間だったとしても貸すつもりはない。たった一言で済む話。アジア人」と、人種差別と取れる言葉を放った。
続けてそのホストは、「だからトランプがいるのよ」、「アメリカは外人に指図されるような国じゃない」と侮辱的な言葉を浴びせた。しかし、ダインは3歳からアメリカに住んでいるれっきとしたアメリカ市民。
これに対しダイナは、「アメリカは私のホームだし、自分のことはアメリカ人だと思ってる。みんな『人種差別は少なくなってきたね』なんて言ってるけど、そんなことはないのよ。人種差別はまだある」とという動画をYouTubeにアップして、涙ながらに訴えた。
「法を守って、人に優しくしても、アジア人だったら人間以下。ゴミみたいに扱われるの」と話したこの動画は瞬く間にネット上で拡散され、ダイナたちにこの仕打ちをした貸し出し人に対し批判の声が集まった。
Airbnbのホストに罰金
その後、このAirbnbのホストの身元が判明。タミ・ベーカーという女性は、カリフォルニア州政府の雇用機会均等・住居部によって50万円の罰金の支払い、ダイナへの謝罪、そして講習の受講を義務付けた。
ダイナは自身のFacebookにて、この世の中にはびこる人種差別は日常の中で誰にでも起こりうると話し、「人種差別をなくしたいなら、ただ黙って苦しむなんてダメ」と声を上げて、訴えることが大切だと語った。