第60回グラミー賞で、男性アーティストばかりが受賞を果たしたことで、世間から不満の声が。その火に油を注ぐかのような音楽界の重鎮の失言に女性アーティストたちが激怒している。

「女性はもっと頑張れ」

 1月28日に行われた授賞式の放送中から「#Grammys So Male/グラミーズ・ソー・メール(グラミーは男ばかり)」というハッシュタグがSNS上でトレンドに。

 主要4部門における女性の受賞がシンガーのアレッシア・カーラが受賞した最優秀新人賞の1部門のみだったことや、全ノミネート者のうち、女性アーティストが占める割合が1割にも満たなかったことについて批判の声が相次いだ。

画像: 主要4部門中、唯一の女性受賞アーティストとなったアレッシア・カーラ。

主要4部門中、唯一の女性受賞アーティストとなったアレッシア・カーラ。

 これを受け、同アワードを主催するナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンス(NARAS)の会長、ニール・ポートナウ氏が米Varietyでのインタビューを通じて、こう発言。

画像: 「女性はもっと頑張れ」

 「まずは、心や魂にクリエイティビティを抱えていて、ミュージシャンやエンジニア、プロデューサー、重役として音楽業界に携わりたいと思っている女性たちから(進化を)始めなくてはいけないと思うのです。女性たちはもっと頑張る必要があります。なぜなら、彼女たちの頑張りは受け入れられるはずだからです」。

 この、あたかも、現在の音楽業界において女性の努力や進歩が足りないかのような表現に、世の女性たちは怒り心頭。

 女性アーティストたちが次々と憤りを表すコメントをしている。

   

女性アーティストたちの反論

画像1: 女性アーティストたちの反論

 シンガーのピンクは、ポートナウ氏が使った「もっと頑張る」、「さらに力を入れる」、「進歩する」という意味を持つ「Step Up(ステップ・アップ)」という言葉を引用した手書きのコメントをツイッターを通じて公開。

音楽業界の女性たちは「ステップ・アップ」する必要なんてない。女性たちは最初からずっと進歩して来てる。
「ステップ・アップ」したり、それから「ステップ・アサイド(※)」したりね。今年は女性アーティストが音楽界を制したわ。彼女たちは素晴らしい活躍を遂げた。これまでも、ずっとね。
※ここでは男性のために「道を空ける」の意
女性たちの才能や成功、そして、毎年ありとあらゆる困難を乗り越えて前進しているという事実を祝福して称えることで、次の世代の女性たちや幼い女の子たちや男の子、そして男性たちに“平等である”ということは何を意味するのか、一体どんなものなのかを示すことができるはずよ

画像2: 女性アーティストたちの反論

 シンガーのケイティ・ペリーは、ピンクのコメントに賛同。拍手喝采の絵文字とともに、こう綴った。

(ピンクは)お手本となるパワフルな女性の1人ね。不条理な不平等を目の当たりにしたら、ちゃんと声を上げて非難するのは私たちみんなの責任。絶え間ない妨害に立ち向かって素晴らしいアートを生み出し続けている女性たち全てを誇りに思うわ。

 さらに、ラッパーのホールジーは、「ニールのコメントは馬鹿げてる。2017年は女性アーティストがすごく健闘した年だったわ。でもノミネートは仲間内だけで彼らの音楽に対する意見に基づいて選ばれたもの。それって、女性に対して現状維持を望む、音楽業界全体の基準に関わる課題だよね」と音楽業界の男性至上主義体質を批判。

 シンガーのチャーリー・エックス・シー・エックスは「思わずあなたの顔を踏んづけてやりたくなったわ。女性は今素晴らしい音楽を作っているわ。コイツは一体何を言ってくれちゃってるわけ?」とポートナウ氏に向け、呆れた様子でコメントした。

画像: 左からホールジー、チャーリー・エックス・シー・エックス。

左からホールジー、チャーリー・エックス・シー・エックス。

 歌姫たちからの集中砲火を受け、ポートナウ氏は「言葉が明瞭ではなかったことを後悔する」と弁解。「音楽業界での活躍を夢見る女性たちが、男性ならば直面しないような障害に阻まれることがあることは理解している」として、今後も音楽業界内のコミュニティの発展と環境改善に努めていくことを約束すると公式声明を発表した。

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