ヒーロー映画をアカデミー賞作品賞に
8月初旬、映画の祭典アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーの理事会は、2019年までに導入されるかは未定だが、「優れた業績を収めた人気作品賞(Outstanding Achievement Popular Film)」という新たなカテゴリーを新設することを発表。
これによって、興行成績の結果や一般観客からの意見が授賞に反映されるというのだが、これに『アベンジャーズ』シリーズのマーベル・スタジオが一役買っているという。
というのも、この賞の最有力になるのではないかと言われているのが、全米興行成績歴代3位の偉業をたたき出し、世界中でもメガヒットを記録した、マーベル史上初の黒人ヒーローを描いた映画『ブラックパンサー』だから。
大ヒットに加えて観客の満足度も高い同作は、世界中で社会現象になった。
一部では、ヒーロー映画やアクション映画の受賞が懸念されがちなアカデミー賞において、『ブラックパンサー』の大ヒットは映画界に大きな影響を与えたとして、今回、“人気作品賞”が追加されたとも言われている。
一方で、アカデミー賞で最も注目される作品賞を受賞したいと考えるマーベル・スタジオにとって、このカテゴリーの新設はヒーロー/アクション映画の作品賞獲得の妨げになりかねない。
こうしたことを受けてか、マーベル・スタジオがオスカー獲得に特化する戦略専門家のシンシア・スワーツを雇用し、マーベル史上まだ成し遂げたことがない作品賞獲得に向けて動き題したとLos Angeles Timesが報じている。
新たなカテゴリーが新設されることで大きく変わりそうなアカデミー賞。それでも『ブラックパンサー』の作品賞受賞にこだわるマーベルは、アカデミー賞の歴史を変える革命児となるのだろうか。(フロントロウ編集部)