『シュガー・ラッシュ:オンライン』公開間近に異例の修正
12月21日に日本公開(11月21日全米公開)されるディズニー映画『シュガー・ラッシュ:オンライン』の公開日が近づくなか、ディズニーが異例の修正作業に追われている。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、ディズニープリンセスが大集結するシーンがあることでも話題になっているけれど、ここに登場する『プリンセスと魔法のキス』の黒人のプリンセスであるティアナ姫が、「ホワイトウォッシュ(White Wash)」(※)されていると批判の声が広がっている。
※非白人のキャラクターを白人化すること。俳優のキャスティングから問題視され始めたホワイトウォッシュは、人種差別的な行為だとして批判が上がっている。
The creation of Princess Tiana, @Disney's first Black princess marked a defining moment for how Black women and girls are presented in media, specifically in animated movies. We're glad @DisneyAnimation has committed to restoring Tiana to her original form to ensure authenticity. pic.twitter.com/O4LpuiQZSs
— ColorOfChange.org (@ColorOfChange) 2018年9月20日
ティアナ姫が、元の作品に比べて肌色が明るくなり、鼻筋は細く、唇は小さくなるなど顔の形が若干シャープになっていることから、「ティアナ姫を白人化している」といった指摘がファンから殺到。
人種差別反対を訴える団体カラー・オブ・チェンジ(Color of Change)もディズニーに抗議を訴えた。
これを受けて、ディズニーはすぐさま修正作業に着手。各ショットに650時間もの労力がかかると言われているアニメーション映画だが、11月の全米公開に間に合うよう、大急ぎで修正が行われているという。
『シュガー・ラッシュ:オンライン』のティアナ姫の修正には、『プリンセスと魔法のキス』の制作スタッフほか、ティアナ姫の声を担当し、映画『ドリームガールズ』で知られる女優のアニカ・ノニ・ローズからの意見を受けて、肌色を調節し、黒人女性特有の丸い鼻やぷっくりした唇が再現される。
さらにディズニーは、ティアナ姫のホワイトウォッシュを抗議した団体カラー・オブ・チェンジとも面会したという。
ティアナ姫役のアニカが声明を発表
一連の出来事について、公にコメントしてこなかったティアナ役のアニカがインスタグラムに自身の思いを綴ったメッセージを公開。
ティアナ姫のルックスのモデルとなったアニカは、『シュガー・ラッシュ:オンライン』でホワイトウォッシュされたティアナ姫の姿が公開された時に、ファンと同じく驚いたことを振り返り、それに対して多くの人々が抗議したことが嬉しかったと語った。
加工されたティアナ姫を見たアニカは、すぐさまディズニースタジオと話合い、ビジュアルを変えるよう申し出たことも明かした。
「(ティアナ姫の)肌の色がこれまでのように豊かになり、世界中にいる肌の黒い私たちと同じ少し丸い鼻が、映画で美しく描かれることが黒人の少女たちにとって重要だということを訴えることができた。(黒人のプリンセスが)ファンタジーの世界で表現されることは滅多にないのだから」と、ファンタジーアニメーションの世界で黒人のキャラクター、ましてやプリンセスが描かれることが少ない現実を示しつつ、少女たちの憧れの存在になれるキャラクターづくりをしてほしいと訴えたアニカ。
さらにアニカは、『プリンセスと魔法のキス』の制作の時にも、ティアナ姫を丸い鼻やぷっくりした唇にしてほしいとお願いしていた過去も語り、今回のディズニーが迅速に対応してくれたことに満足しているということも語り、今回の騒動についてファンにメッセージを送った。
(フロントロウ編集部)