日本時間9月18日に開催されたエミー賞で15部門20の賞にノミネートされたHuluプレミア『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の魅力を一挙にご紹介します。

今年で70回目!ドラマの祭典エミー賞が開催

 今年で70回という節目を迎えたドラマの祭典エミー賞で、昨年に引き続き主要部門含め多数の部門にノミネートされた話題作、Huluプレミア『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』。

画像: 主要部門を含む8部門を受賞した2017年エミー賞の様子。

主要部門を含む8部門を受賞した2017年エミー賞の様子。

 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、昨年にシーズン1が全米でHulu独占配信された、比較的新しいドラマにもかかわらず、総計33という記録的ノミネート数を誇る作品。

『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
環境汚染が原因で少子化が深刻化した世界。妊娠ができる健康な身体を持つ女性は、家族、仕事、財産、そして人権をも突然奪われ「子どもを産むための道具=侍女」として上流階級の夫妻のもとに送り込まれることが、法律で定められたギレアド共和国が舞台。その恐ろしく異様な世界で、侍女として仕えることになったオブフレッド。侍女たちが行動を極限まで制限された監視下で、どのように今を“生き抜く”か、オブフレッドの目線を通して力強く描く。

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 今年は、現在Huluで独占配信中のシーズン2で高く評価されている、衣装や音響などの演出部門が多数受賞するなか、主人公オブフレッドの親友モイラ役のサミラ・ワイリーが見事、ゲスト女優賞に輝いた。

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 サミラがキャリア初のエミー賞を獲得したゲスト賞というカテゴリーは、同年のゲスト賞(ドラマ部門・コメディ部門:ゲスト女優/ゲスト男優)に輝いた4人がすべて黒人という、エミー賞史上初となる快挙を成し遂げたことでも称賛された。

 そんなエミー賞では、現代社会の闇を映し出したような緊張感のあるシリアスなドラマの内容からは想像できない、普段はお目にかかれないキャスト同士のプライベートの交流や、幸せオーラ全開の姿が数多くキャッチ。


レッドカーペットではキャストにマイクが殺到!
エリザベス・モスが舞台裏エピソードを明かす

 人気ドラマらしく、エミー賞のレッドカーペットでは多数のメディアがキャストをインタビュー。注目ドラマの裏話を聞き出そうとマイクが向けられるなか、主人公の侍女オブフレッド役のエリザベス・モスが、ある秘話を明かした。

 なんでもキャストたちは、舞台裏で「テイラー・スウィフトを大合唱したり、ジョークを言い合ったり、インスタ用の写真を撮りまくったりしている」のだそう。緊迫した空気が漂う作品とのあまりのギャップに、インタビュアーも驚きを隠せない様子だった。

画像: エリザベスはサミラとともにドラマ部門助演女優賞のホストを務めた。

エリザベスはサミラとともにドラマ部門助演女優賞のホストを務めた。


キャストのファッションにも注目
ブルーリボンで人権支持の意思表明

 エミー賞のレッドカーペットでは、キャストのファッションも話題に。なかでもドラマで「性の反逆者」として人権をはく奪されるLGBT+のキャラクターを演じるアレクシス・ブレデルが、Delpozo(デルポソ)のドレスに合わせて、クラッチバッグにつけたブルーリボンがひと際目をひいた。

 これは、アメリカ最大の人権擁護団体であるACLU(アメリカ自由人権協会)への支持を表明したもの。キャストたちがセンシティブな社会問題にも勇敢かつ積極的に声を上げているのも、このドラマが持つ魅力のひとつ。

画像: キャストのファッションにも注目 ブルーリボンで人権支持の意思表明

授賞式中もキャストの動向が話題に
劇中では絶対に見られない3人が抱き合う

 エミー賞のハイライトのひとつだったのが、ドラマの世界では決して親しくなることがないキャスト3人の仲睦まじい姿がカメラにとらえられた時。

 侍女に子供を産ませようとする司令官の妻セリーナ役のイヴォンヌ・ストラホフスキー、侍女の冷酷な教育係リディア小母役のアン・ダウド、侍女役のアレクシス・ブレデルが抱き合う姿は、ネット上で話題になった。

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役柄とは真逆!大きなお腹を披露

 ドラマでは子供を産むことが出来ない冷酷な司令官の妻を演じるイヴォンヌだけれど、役柄とは打って変わって、プライベートでは幸せ溢れる妊婦さん。

 イヴォンヌはアワード中に出産してもおかしくないと笑うほど予定日が近かったにもかかわらず、キャリア史上初めてエミー賞の女優部門にノミネートされた今年、大きなお腹を抱えてアワードに出席した。

画像: 役柄とは真逆!大きなお腹を披露

 ドラマでは観ることが出来ない貴重なエピソードでアワードだけでなく、ショービズ界も盛り上げたキャストたちが出演する『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、あの人気セレブの間でも、か・な・り、話題になっているんです!

“影響力のある”セレブがドハマり中!

 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の社会現象ぶりがヤバい!視聴者だけでなく、影響力のあるセレブたちがドハマリしている。その一部がコチラ。

セレブきってのパワーカップル
ライアン・レイノルズ&ブレイク・ライヴリー

 ハリウッドきってのおしどり夫婦として憧れの存在でもある2人が、一緒に過ごす時に見ているドラマだということをライアンが明かした。

画像: サンディエゴ・コミコン2018のパネルセッションで語って

サンディエゴ・コミコン2018のパネルセッションで語って


世界一影響力があるリアリティスター
キム・カーダシアン

 1話見たら次が見たくなる中毒性の高さを持つ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』。着るもの、見るもの、行動すべてが注目を浴びるキムもドハマリ中。すでにシーズン3のリリースを切望するコメントもしている。

画像: ツイッターで語って。

ツイッターで語って。

世界一のモデル軍団のエンジェル
サラ・サンパイオ

 世界一のモデルが集まるヴィクトリアズ・シークレットで限られた人にしか与えられないエンジェルの称号を持つサラもドラマの大ファン。シーズン1でも衝撃のシーンがたくさんあった同作はシーズン2でさらにグレードアップしており、その点をサラも大絶賛。

画像: twitter.com
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オリンピック閉会式で歌った
ジョシュ・グローバン

 「ユー・レイズ・ミー・アップ」を全米に広め、ディズニー実写版『美女と野獣』のサントラにも参加したシンガーのジョシュ。架空の世界を舞台にしながら、女性・人種・LGBTなど、現代の話題とリンクしたテーマを取り上げるドラマに魅了されている。

画像: “影響力のある”セレブがドハマり中!

 そのほかにも、モデル番付常連のクリッシー・テイゲンや、人気女優のルーシー・ヘイル、人気女性コメディアンのミシェル・ウルフなどのセレブも大絶賛。

 さらには、米政治家のヒラリー・クリントンも女性問題を語る演説の一節で『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』に触れ、女性の社会進出を応援した。


『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 作品としての評価も十分、セレブもハマる話題性もバッチリ。「見たい」要素がたっぷりつまった『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、現在シーズン1~2がHuluで独占配信中。

画像: エミー賞受賞「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン2 予告編 youtu.be

エミー賞受賞「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン2 予告編

youtu.be

 シーズン1を見ていない人でもまだ間に合う、作品の「ココが面白い」という見どころをシーズン1と2を織り交ぜながらご紹介します。


ココが面白い①:
衝撃的な『ハンドメイズ・テイル』の世界観

シーズン1:「侍女=子供を産む道具」として扱われる世界

画像1: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 物語の舞台は、アメリカ合衆国のなかに誕生したギレアド共和国という閉鎖的な国。そこでは、今を生きる私たちの生活では考えられない世の中が広がっている。

 富裕層が絶対的な権力を持つ超格差社会で、子供を産める女性は人権を奪われ、侍女として扱われる。街には、少しの違反も見逃さない監視の“目(アイ)”がいたるところに潜伏。そして、カーストの頂点に君臨する司令官と妻によって月に1回行われる、侍女の性器を利用した“儀式”という名の強制的な性行為が行われる―。

 現代社会では考えられない異様な状況にもかかわらず、なぜか「こんな世界あるかも…」と感じてしまうほどリアルを追及した独特な世界観は、ほかのドラマにはない。

 立場ごとに違う衣装や、シーンにバシッとハマる音楽など、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』の世界観を作り出す抜かりない演出は、さすがのひと言。

 それを裏付けるように今年のエミー賞では、演出監督賞、編集賞、音響賞、視覚効果賞、衣装賞、メイクアップ賞などにノミネート()された。
※プロダクションデザイン賞現代劇部門、編集賞シングルカメラ・ドラマシリーズ部門は、見事エミー賞を受賞。


シーズン2:侍女たちが恐れる「コロニー」の全貌が明らかに

画像2: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 シーズン1で侍女たちが話題にあげていた、子供が産めない女性や同性愛者といった“反逆者”が送られる場所「コロニー」。シーズン2では、この場所の全貌が明らかになる。

 罪を犯したものならば司令官の妻でも送られるコロニー。街では着る服の色によって階級や役割が違ったが、コロニーでは、誰に対しても平等の絶望が存在する。「行ったら生きて帰ってこられない」コロニーに送り込まれた女性たちは、絶望から何を見出すのか?

画像3: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 シーズン2では、司令官たちが暮らすクラシカルで美しい街からまったく異なる風景に変わって、『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』らしい世界観でギレアド共和国の新たな闇が描かれる。


ココが面白い②:
侍女たちの内に秘めた強さ

シーズン1:理不尽な世界を“耐え抜く”侍女たち

画像4: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 子供を産む道具にされるだけでなく、普通の会話や食事など、当たり前の権利を制限される侍女たち。それは法律として厳格に規制されている。

 ギレアド共和国では、女性は読書や文字を書くといった基本的なことが違法行為と見なされる。加えて侍女たちは、自殺や逃亡を防ぐために1人で外出することが許されないだけでなく、私有物や金銭、いわゆる資産を持つことも禁じられる

 そんななかで侍女たちが、どこにもぶつけることができない怒りや、やるせなさを通して団結し、絶望的な世界でそれぞれが小さな幸せを見つけながら、常軌を逸した生活になんとか耐え、生き抜こうとする強さを見せる。

 視聴者としては、侍女たちが抵抗することに期待をふくらませるが、それが絶望に変わるのも早く、この読めない展開と緊張感がドラマの中毒性を高めている。


シーズン2:理不尽な世界に“立ち向かう”侍女たち

画像5: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

  シーズン2では、極限まで制限された生活を送る侍女がついに“立ち向かう”強さを見せる。溜め込んでいた感情を爆発させ、死を恐れずに勇敢な行動に出るのだが、そこで待っているのは予想できない目を塞ぎたくなる展開の数々。

 侍女それぞれが“何かを変えるため”に、危険を省みず自殺行為ともとれる暴動を起こす。圧倒的不利の状況下で侍女たちが立ち向かうのは、自由のためなのか、子供を守るための母性なのか、それとも未来の世界のためなのか―。

画像6: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 さらに、侍女ではない女性たちにも抵抗の兆しが。男性が権利を独占するギレアド共和国で、立場の違う女性がそれぞれの方法で静かに立ち上がる。

 女性たちが抱える様々な心のしこりが見えてくることで、物語にさらなる深みを与え、視聴者がより共感できる細かな演出が盛り込まれている。なぜギレアド共和国が誕生したのか?その謎が、彼女たちのバックストーリーによって徐々に明らかに。


ココが面白い③:
架空のドラマのはずなのに、怖いほどリアル

シーズン1:女性問題を反映”

画像7: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 「女性を子作りの道具として扱うなんて現実世界で起こり得るわけがない」。『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、数話を見終えた頃にはそんな自信が揺らぐほどのリアリティがある。

 今、起きている社会問題とのリンクも強く、シーズン1では、セクハラ撲滅を訴えるMe Tooや、女性の人権を訴えたウィメンズ・マーチを彷彿とさせるシーンが、侍女たちのバックストーリーを語る絶妙なタイミングで登場する。


シーズン2:さらなる社会問題に踏み込む

画像8: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 シーズン1に引き続き、シーズン2でも、フェミニズムデモといった現代のキーワードとリンクするシーンが数多く登場する。さらに、アメリカではトランプ政権になってから「移民問題」が大きな議論を呼んでいて、最近ではセレブも参加する大型デモが行われたが、シーズン2ではこのテーマにも触れ、“今”の社会をドラマに反映させている。

画像9: 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』のココが面白い!

 『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』はそんな社会問題を描きながら、女性として絶対にゆずれないことや、女性の芯にある強さといった、女性の核心的な部分を描いて視聴者の心をガッチリつかんでいる。


 衝撃だらけの新しい世界を知りながらたっぷり共感して感情移入できるシーズン1と、侍女たちがシーズン1を耐え抜いたからこそ抵抗することに対する興奮が大きいシーズン2。

 Huluにてシーズン1と2をぜひ合わせて見てもらいたい。(フロントロウ編集部)

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