意味深な内容の動画を公開…
昨年、複数のセクハラや性的暴行を告発されたケヴィン・スペイシーが、2016年に当時18歳だった少年に性的暴行を加えた容疑で起訴され、来年1月に行われる裁判への出廷を命じられたことをうけて、『私をフランクにさせてくれ(Let Me Be Frank)』というタイトルの意味深な内容の動画を公開した。
ちなみに、「フランク」とはケヴィンが昨年セクハラおよび性的暴行疑惑を理由に降板を余儀なくされた、Netflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』でケヴィンが演じていたフランク・アンダーウッドのことである。
以下、ケヴィンのコメント全訳。
※『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のネタバレも含むのでご注意ください。
「君たちが何を望んでいるのかわかっている。彼らは我々を引き離そうとしたが、我々が共有しているものはもっと力強く、パワフルなものだった。あれ以来、我々はすべてを共有している。私は君たちに私の最も暗い秘密を話した。私は君たちに人間は本気を出せばどんなことでもやると示した。私の正直さが君たちに大きな衝撃を与えたこともあっただろう。しかし、何より大切なことは私が君たちに挑み、考える機会を与えてやったことだ。君たちは私を信頼してはならないとわかっているにもかかわらず、私のことを信頼した。誰が何を言おうと我々は終わっていない。私は君たちが何を望んでいるのか知っている。君たちは私が戻ってくることを望んでいるんだ」
「もちろんすべてを信じ、息を殺して私がすべてを告白するのを待っている人たちもいるだろう。彼らは私が『巷で言われていることはすべて真実で、私はその報いを受けた』と公表することを心底望んでいる。そんな単純なことで済むなら何もかも簡単だとは思わないか?でも、我々は政治も人生もそんなに単純ではないことをよくわかっている。君たちは何の証拠もないのに最悪の出来事を信じたりしないし、事実に基づく根拠もなく判断を急いだりもしないはずだ。君たちはそんなことはしない。それとも、したのかい?いや、違う。君たちはもっと賢いはずだ」
「いずれにせよ、憶測だけでこんな納得のいかない結末を迎えてしまったんだ。もっと記憶に残る別れにできたはずなのに。もしも我々が過去数年間のあいだに何かを学んだとするならば、それは人生だろうがアートだろうが議論から外れるべきではないということだ。我々は何も恐れていなかった。自分が言ったことに対しても、したことに対しても何も恐れてはいなかったんだ。そして、今だって何も恐れてはいない。なぜなら私は君たちにこう約束できるからだ。私が、自分がやったと言われていることに対してその代償を払っていないのであれば、それは私がやってもいないことに代償を払うつもりは絶対にないからだ」
「私がルールに乗っ取って行動していないことを世間は無礼だと言うだろう。まるで私がこれまで誰かのルールに従って行動してきたかのように。言っておくが、私は人のルールに従ったことなんて1度もない。そして、君たちはそれを気に入っていたはずだ。なんにせよ、戯言、悪意、一連の報道や裁判抜きの弾劾、これらすべてのことに加え、私自身はすでに死んでいるにもかかわらず、今驚くほどいい気分だ。君たちがまもなくすべての真実を知ることになるだろうという確信が、私のなかで日々深まっている。待ってくれ。よく考えたら、君たちは私が死んだのを実際には見ていない。そうだろう?人々を欺くような結末は多い。私が恋しいかい?」
最後のほうで『ハウス・オブ・カード 野望の階段』への復帰を示唆するような発言もしているが、プライベートでトラブルを抱えるケヴィンをNetflixが再び作品に呼び戻す可能性は低いことから、あくまでもケヴィン自身の「願望」だと考えるのが現時点では妥当。(フロントロウ編集部)