シンガーのアリアナ・グランデとのコラボで従来のマキアートを進化させた“クラウド・マキアート”なる新商品を発表した米コーヒーチェーンのスターバックス。
ホイップクリームの代わりに、独自に開発した“雲”のようなフォームミルクをトッピングした同商品は、リリース直後にアリアナが同ドリンクを飲む姿をSNSを通じて公開し、大々的にアピールした効果もあり、アメリカ国内だけでなく世界中で「ぜひ、飲んでみたい! 」と話題に。現在注文が殺到する人気商品となっている。
しかし、ここへ来て、一部のアリアナファンたちから“クラウド・マキアート”に関する苦情が噴出。
その理由は、2013年以来、肉や魚、卵、乳製品を含む動物由来の食物を取らないヴィ―ガン(完全菜食主義)となったことを公言し、動物愛護活動にも熱心なアリアナを広告塔に据えた同商品に動物由来の材料が使用されているから。
新しく開発された微細な泡のフォームミルクには、卵の白身や牛乳が使われており、これに対し、ヴィ―ガンの消費者たちは落胆し、怒りすら滲ませている。
ツイッター上では、「ヴィ―ガンを公言しているアリアナが、卵や牛乳を使ったドリンクの広告塔になるのは矛盾してる」、「アリアナとのコラボドリンクだから、ヴィ―ガンドリンクになるものだとばかり思っていたからガッカリした」、「残念だけどヴィ―ガンの私には飲めないや…」とネガティブなコメントが続出。
さらに、実際にスターバックスでバリスタとして働く人々も「このドリンクを作るための“クラウド・パウダー”にはメレンゲ状の泡を作るために卵の白身が使われてるから、どうやってもヴィ―ガンにはならない(※)」、「もし、またヴィ―ガンのお客様に牛乳の代わりに豆乳を使ってクラウド・マキアートを作って欲しいってリクエストされたら、私、今にも発狂しそう」と同商品に対して困惑の色を見せている。
※スターバックスでは、ミルク(牛乳)が使用された多くのドリンクを豆乳やアーモンドミルクといった植物由来の乳製品に代えてもらうようバリスタにリクエストすることができるが、クラウド・マキアートは、泡を作り出すための“クラウド・パウダー”と呼ばれる粉末にすでに卵の白身の抽出成分が含まれているため、ミルクを代えてもヴィ―ガンとはならない。
海外では昨今、健康や嗜好のためだけでなく、地球環境の今後を考慮した上でヴィ―ガンへと移行する若者が増えており、アリアナとスターバックスのコラボを楽しみにしていたファンたちにもヴィ―ガンは多い。そんな中での“矛盾”なだけに、思わぬ反感を買うこととなってしまった。
ちなみに3月18日のニューヨーク・オールバニでの公演を皮切りに「スウィートナー・ワールド・ツアー(Sweetener World Tour)」をスタートさせるアリアナは、ツアー準備に大忙しなこともあってか、同件については今のところコメントしていない。(フロントロウ編集部)