シンガーのテイラー・スウィフトの新曲「You Need To Calm Down(ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン)」がドナルド・トランプ米大統領を挑発する“ジャブ”なのではないかとの説が浮上している。(フロントロウ編集部)

LGBTQ+コミュニティに捧げるアンセム

 テイラー・スウィフトが6月14日にリリースした新アルバム『ラヴァー(Lover)』からの第2弾先行シングル「You Need to Calm Down」。

 日本語に訳すと、「あなたはちょっと落ち着くべき」という意味になるタイトルの同曲は、セクシャルマイノリティーの人々を勇気づけ、サポートを表明する歌詞が並ぶLGBTQ+アンセム。

「あなたは私たちの知らない人だけど、私の友人たちをミサイルのように攻撃してる/なんで怒ってるの?/GLAAD(※)になることだってできるのに」
※LGBTQ+の人々のイメージに関するメディアモニタリングを行っている非政府組織GLAADのこと

「(ゲイ・)パレードが行われる通りには太陽の光が満ち溢れている/それなのにあなたは、あえて暗黒時代にとらわれていたいのね」

「嫌いな人すべてに対して叫びたくなる衝動をコントロールできるようにならなきゃ/だってどんなにシェイド(批判)したって誰かのゲイさを弱めるなんてことは決してできないんだから」


トランプ大統領への“ジャブ”説が浮上

 昨今LGBTQ+コミュニティの権利保護や差別禁止を熱心に訴えているテイラーが、プライド月間である6月中に「You Need to Calm Down」をリリースしたのには、それだけでもちろん大きな意味があるが、公開日に関しては、もう1つ注目すべき点がある。

 それは、6月14日というこの日がドナルド・トランプ米大統領の73歳の誕生日だということ。

画像: トランプ大統領への“ジャブ”説が浮上

 2018年にそれまで控えていた政治的発言を解禁して以来、女性の人権問題や人種差別問題、移民問題、そしてLGBTQ+コミュニティに対して寛容とは言えない姿勢を貫いているトランプ大統領の政策に異議を唱える発言を重ねてきたテイラー。

 最近では、プライド月間の初日に、音楽制作の拠点としているナッシュビルがあるテネシー州のラマー・アレクサンダー上院議員宛てに書いた、平等案を支持するよう求めた長文レターの中で、トランプ大統領の平等法における声明に隠れる「異性愛やシスジェンダー(※身体的性別と自分の性自認が一致していている人)以外の人は、モラル的にどこかおかしい」とする姿勢を「個人的に受けつけられない」と強い口調で否定して話題となった。

画像: プライド月間初日に行なわれた米カリフォルニアの音楽イベント「Wango Tango(ワンゴ・タンゴ)ではLGBTQ+のシンボルであるレインボーカラーの衣装を身に着けてパフォーマンス。

プライド月間初日に行なわれた米カリフォルニアの音楽イベント「Wango Tango(ワンゴ・タンゴ)ではLGBTQ+のシンボルであるレインボーカラーの衣装を身に着けてパフォーマンス。

 自らが世に出す楽曲はもちろん、MV、SNSへの投稿などその1つ1つに深い意味やヒントを込めることで知られているテイラー。そんな彼女だけに、トランプ大統領の主張やポリシーに反する内容の歌詞を含む「You Need to Calm Down」のリリース日をあえてトランプ大統領の誕生日にぶつけたという説も、あながち単なるファンたちの憶測にすぎないとは言い切れない。

 現在ツイッター上では「テイラーが新曲でトランプ大統領をディスった!」、「この曲はトランプ大統領への挑発に違いない」といったコメントが溢れかえっている。

 これまで政治的な発言は残してきたものの、楽曲では表現してこなかったテイラー。「You
Need to Calm Down」は、そんな彼女が初めて自分の政治的メッセージを込めた記念すべき1曲ということになる。

 テイラーは、8月23日に発売されるニューアルバム『ラバー(Lover)』には「政治的メッセージが隠れている」と以前、独DPAとのインタビューで明かしており、同曲のほかにも、彼女の政治的な思想が反映された楽曲が含まれている可能性もある。(フロントロウ編集部)

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