米Vogueの編集長を務めるアナ・ウィンターが、米トランプ大統領夫妻をそれとなく批判した。(フロントロウ編集部)

カリスマ編集長に質問をぶつける

 30年近く米Vogueの編集長を務め、映画『プラダを着た悪魔』のモデルになったと言われるアナ・ウィンターが、The Economistのポッドキャスト番組に登場。業界の重鎮として確固たる座を手にする彼女の辛口コメントにはいつも注目が集まるけれど、この日も番組ホストがファッションについてある質問を投げかけた。

画像1: カリスマ編集長に質問をぶつける

「トランプ大統領のファッションには目立つところがたくさんありますよね。サイズ感が合っていないスーツに変なパンツ、赤いベースボールキャップなんかは、まさに時代遅れ。トランプ大統領の夫人メラニアはだいぶコーディネートが上手に思えます。彼女はきっとヨーロッパのファッション大使にでもなりたいのでしょう。これについて評価しますか?それともトランプとは関わりたくないですか?」

 ホストは、米トランプ大統領についての質問を投げかけ、“カリスマ編集長”の答えを引き出さんとばかりに巧みに誘導。しかしこの質問をアナは完全スルー。代わりにこう答えた。

「私が思うに、ファーストレディのミシェル・オバマはファッションにおいて素晴らしい選択をしていたと思う。彼女は若いアメリカのデザイナーを支持していたから。それだけではなくて、彼女は世界中のデザイナーをサポートしていた。彼女はこの国が持つことができる1番の大使だったのよ。明らかだけれど、ファッションにとどまらずね」

画像2: カリスマ編集長に質問をぶつける

 アナは、質問にあるトランプ夫妻について答えずに、突然、ミシェル・オバマ元米大統領夫人を話に持ち出し、若手デザイナーがつくる手頃なアイテムや多様なブランドを好み、服装を通じて若い才能を応援していたミシェル夫人を称賛。一方、アナが触れなかったメラニア夫人は、ラグジュアリーブランドを選び、母国アメリカよりもヨーロッパのデザイナーの服を好む傾向にある。

画像3: カリスマ編集長に質問をぶつける

さらに切り込む番組ホスト

 しかし、自身の質問に対してハッキリとした答えをもらえなかった番組のホストは、めげずに「でもオバマはもうファーストレディではないですよね?今のファーストレディについてはどう思いますか?」と、もうひと踏ん張り。それでもアナは、「私にとって、オバマ夫人こそが尊敬する人の一例よ」とスルー。

 なかなか腹を割らないアナにしびれを切らしたホストは直球勝負。「トランプ大統領がもしあなたに連絡してきてアドバイスを求めたらなんと言いますか?」と尋ねたが、アナは「彼が電話してくるとは思えない」と完全無視を決め込んだ。

 ファッション界を牽引し、多大な影響力をもつ存在とあって、インタビュアーから頻繫に個人的な意見を問われるアナは、これまでも答えたくない質問には自分の好きな話題で切り返してきた。

画像: 過去にはヒラリー・クリントンのTシャツを着用

過去にはヒラリー・クリントンのTシャツを着用

 そんなアナだけれど、彼女が政治的にどのような立場をとっているかは明らかで、大統領選ではトランプ現大統領と競ったヒラリー・クリントンを支持すると自身が手掛ける雑誌で言及し、ミシェル・オバマなどのファーストレディに加えて、上院議員のカーマラ・ハリスなど、民主党の政治関係者を表紙に抜擢するなど、自身、そしてメディアとして明確な姿勢を示している。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.