有罪判決も拘禁刑は免れる
スウェーデン・ストックホルムの路上で執拗につきまとってきた男性に集団で暴行をくわえたとして逮捕され、約1カ月間現地で身柄を拘束されたアメリカ人ラッパーのエイサップ・ロッキー(ASAP Rocky)に有罪判決が下された。
被害者の19歳の男性の頭部をガラス瓶で殴り、あばら骨を折るなどの怪我を負わせるなどした暴行罪で起訴されたエイサップと彼の取り巻きの男性2人は、被害者男性が挑発的な態度で絡んできたことや、再三の警告を無視してつきまとわれたことを踏まえ、裁判で自らの行動は正当防衛だっと無罪を主張。
しかし、裁判官は、複数の目撃者の証言などから、正当防衛は認められないとエイサップらの訴えを却下。一方で、事件の本質については、そこまで深刻なものではないと判断し、エイサップらがこれ以上、刑務所で身柄を拘留される必要はないと裁定した。
米AP通信によると、エイサップらは被害者の男性について1万2,500クローナ(約13万7千円)の賠償金を支払うよう命じられたという。
事件が起きた2日後の7月3日に逮捕され、その後、暴行罪で起訴されたエイサップと取り巻きの男性2人は、現地の拘置場で約1カ月間身柄を拘留。
先に争いを仕掛けてきたのは被害者の男性のほうだったことや、エイサップらが収監された拘留場の環境が「人間がいるようなところではない」と比喩されるほど不衛生であり、まともな食事も与えられなかったというスウェーデン警察のずさんな対応が浮き彫りになったことなどから、アメリカ国内では、スウェーデン警察は早急にエイサップらの身柄を解放すべきだと署名運動が開始。
ジャスティン・ビーバーやキム・カーダシアンをはじめとする多くのセレブたちもエイサップを擁護し、ドナルド・トランプ大統領もスウェーデンの総理大臣にエイサップの早期解放を呼びかけるツイートをするなど、世間を巻き込んだ一大騒動へと発展した。
音楽フェスで復活
8月4日に一時釈放されたエイサップと男性2人は、そのままアメリカに帰国。
1カ月ぶりに母国の土を踏んだエイサップは、その後、カリフォルニア州アナハイムで行なわれた音楽イベント、リアル・ストリート・フェスティバルのステージで「今、ここに居られることを本当に嬉しく思う。あれ(スウェーデンでの拘留)は、本当に恐ろしくて、己の小ささを感じる出来事だった。みんなには感謝してもしきれない」と観客たちに向かってスピーチしていた。
有罪判決を受け、エイサップがコメント
判決が下された米現地時間8月14日、エイサップはインスタグラムを通じて、今の率直な気持ちを吐露。有罪と見なされたことについて満足はしていないものの、自身をサポートしてくれた人たちには感謝しているとコメントした。
もちろん、俺は今日下された判決には落胆してる。ただ、ファンや友人、そしてこの困難な時に俺に愛情を示してくれた全ての人々にありがとうと言いたい。俺は前進し続けるよ」
(フロントロウ編集部)